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ローズ (1979)

THE ROSE

監督
マーク・ライデル
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  • みたログ 448

4.18 / 評価:139件

心の叫びが突き刺さる

  • ibukulo- さん
  • 2012年9月21日 0時54分
  • 閲覧数 1626
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

これは、ジャニス・ジョップリンをモデルにした映画らしい。
しかし、ジャニスの行動とは色々と異なるところがあるので、ストーリーは独自に脚色されたもののようだ。
特に、彼女の最後の場所は、この映画とは違っている。

しかし、この映画で表現されているローズの心の叫びは、スクリーンから飛び出して、見る者の心に突き刺さってくる。


彼女は、魂の叫びを歌にして人々に伝えていたミュージシャンだった。
叫びたいときに叫ぶことで、魂が歌にこもっていく。
だから、自分の歌いたいときに歌えばよかった。そうすれば、ハッピーでいられたし、そうやって歌っている時は心も安らかでいられた。

彼女にとって、気分的に歌いたくない状況で歌わされることは、精神的に非常に負担になった。
歌いだせば、いつでも自然に魂は籠ってしまう。しかし、気分的にのっていないときに歌うと、その後の疲労感が非常に高くなってしまう。
だから、昔、なじみだったバーに行き、自分が歌いたい気分で自分の好きなように歌うことは、精神的に疲労していたこの物語の時期でも、楽しい気分にさせてくれることだった。むしろ、日々のつらい状況からの救いだっただろう。
しかし、それを中断される。そうすると、もう彼女の精神はボロボロになって耐えられなくなる。それを打ち消すために、酒を飲みそして・・・

また、魂で歌っているのに、曲の提供者から曲のことがわかっていないと言われる。
彼女にとって一番こたえるの、自分の歌を否定されることだ。そういうときの感情表現が下手だから、周りに当たり散らしてその心の負担を取り除こうとする。
すると、人はそれを我儘だと言う。そして、彼女はさらに心を閉ざしていく。

彼女にとって不幸だったのは、周りの誰もそのことに気づいてあげられなかったことだ。
いつも一緒にいるマネージャや、バンドのメンバーだけでなく、久しぶりに訪れた地元のバーの客なども。

学生時代の彼女は、地元では常に孤立していた。天才というものは、いつの時代も理解されない。
そのため、ミュージシャンになった時点で、彼女の心の中には、すでにたくさんの傷があった。


僕は、アマチュアバンドをやっているが、知り合いのミュージシャンの中に、近くに寄るだけで、その人は口を開かなくても心の叫びが大きなトゲとなってこっちに突き刺さってきそうだと感じる人がいる。その人のそばにいると、いたたまれなくて自分までつらくなる。だから、ローズの気持ちがよくわかる。でも、逃げ出そうとは思わない。根本的な救いは与えられなくても、和らげることはできるはずだ。
マネージャは、2週間でいいから休暇を与えれば良かった。そう思わずにはいられない。

自分がビッグスターになって故郷に凱旋したことによって、地元の人々は彼女を受け入れてくれるだろうと期待していた。しかし、そうではなかった。だから、より一層、心が壊れていく。

それなのに、また、周りの人間は誰も理解してくれない。彼女のそのつらさを解ってくれない。

そして彼女は・・・・


心がかきむしられる。そして、それが涙となって流れていく。そんな映画だった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 絶望的
  • 切ない
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