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ロープ (1948)

ROPE

監督
アルフレッド・ヒッチコック
  • みたいムービー 26
  • みたログ 634

3.41 / 評価:138件

哲学的殺人のテーマはわかるが

  • 野良レビューワ さん
  • 2016年9月22日 2時59分
  • 閲覧数 636
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 心理的に支配被支配的関係にある友人同士が、支配側の男の「超人思想」に基づいて、共通の友人を殺害する、という設定である。
 みんなハーヴァードレベルの大学を出ている、裕福なエリートたちのようである。
 元になった実話があるそうだし、日本でも「人を殺してみたかった」と動機を語る殺人者が現に最近も何人かいるので、「荒唐無稽」と片付けることはできないのかもしれない。
 だが、やっぱり「そんな思想の実践のために人殺しをやってみるかしら?」との疑問が頭を去らなかった。
 主犯、被害者、およびその共通の友人をつなぐ美女も登場するので、実は根底にもう少し痴情沙汰的な泥臭い理由が、みたいに説明されていくのかなと思うとそうでもなく、やっぱり自我肥大した主犯の思想的・哲学的・異常心理学的な動機で引き起こされた殺人なのである。
 いかにもヤバいサイコキラーにも悪魔にも見えない主犯なので、「本当にそういう設定なのか?」を確認するために、エンドマークの後、再び頭から見直してしまったが、多分間違っていない。
 超人かぶれの主犯はいいとしても、共犯者になってしまう友人の動機が弱いのではないか。中学時代からの二人の関係がセリフの中で示唆されるが、もういい大人になっているのだし、何か弱みを握られて脅迫されていたわけでもなし、主犯の思想に心から共感しているわけでもない。男子校だったろうから、性的な支配も考えられるけれど、その辺は明確にされない。主犯に抗えなかった理由は、私には読み取れなかった。

 この辺のハードルに引っかからなければ、映画としては面白い。舞台演劇を思わせる、一幕一場の一本撮りであり、話はタイトにまとまっている。ミステリーとしては、冒頭に犯行が描かれてしまうので、謎解きの興味はない(題名の「ロープ」がそれほどカギになっているとは思えない)。犯人たちの指導教授だったジェームズ・スチュワートが、二人を追い詰めていく心理サスペンス劇としては、楽しめる。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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  • 知的
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