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ローマの休日 (1953)

ROMAN HOLIDAY

監督
ウィリアム・ワイラー
  • みたいムービー 574
  • みたログ 7,813

4.51 / 評価:1988件

ブラッドレーの中に去来する万感の思い

  • yan***** さん
  • 2019年11月17日 12時09分
  • 閲覧数 947
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

あまりにも有名なこの作品、一度は見ておきたいとは思っていましたが、70年近くも前のカラーでもない作品ということで、若干のハードルを感じてしまって今日まできてしまいましたが、実際に見始めてみてビックリ。とても70年近く前の作品とは思えない活き活きとした役者さんたちの演技に一気に引き込まれてしまいました。王女がお城を抜け出した後の一挙手一投足も非常に細やかに描かれているのにも魅了されました。ブラッドレー の部屋に続く螺旋階段を王女がそのまま上がらずに行き過ぎてしまうシーン、街中でジェラードを買って去ろうとする際にお釣りをもらうシーン、船上のダンスシーンで美容師が王女の前髪を整え最後に自身の髪をひとかきするシーン等々、なんのことはないワンシーンも含め非常に細かいところまで丁寧に作りこまれていると感じさせてくれました。セリフが多い作品ではないと思いますが、細やかで配慮の行き届いたシーンの積み重ねによって、口に出さずとも登場人物の心の内が垣間見えるようなそんな作品に仕上がっていったのだと思いました。最後の会見の場で、王女が記者に順々に挨拶をしていきます。ブラッドレーの前で何と声をかけるのだろうかと緊張してその時を待ちましたが、極めて単純な挨拶、しかもあっという間に次の人に移ってしまうこのシーン。なかなか普通にはこのようにさっぱりと描くことはできないと思います。でも前記の通り、挨拶の瞬間よりも前後のシーンの中に決して言葉にはせずとも細やかな表情の変化や仕草、そんなものの積み重ねがなされているため、一瞬であっても言葉以上に多くの想いが伝わってきました。

会見が終わって王女が退室、記者たちも帰ってしまい、最後にブラッドレーが部屋を後にすることになりますが、カメラは空になった玉座を絶妙な位置に映し続けながら、会見場を去るブラッドレーを正面から映し出していきます。ブラッドレーの中に去来する万感の思いを共に感じさせてくれた名シーンだと思いました。

最後にエンディングロールが流れないので、心を落ち着かせる間なく現実に引き戻されてしまいましたが、しばらく真っ暗になった画面を見続けてしまいました。あのシーン、このシーンと印象に残ったシーンが多々あります。それら含めもう一度見てみたい、久々にそう思える作品に出会えました。

70数年前の作品、当時関わったスタッフの皆さんでご存命の方ももうすでにいらっしゃらないかもしれませんが、こんな素晴らしい作品を後世に残していただいて本当にありがとうございました。素直に感動しました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
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