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633爆撃隊 (1964)

633 SQUADRON

監督
ウォルター・E・グローマン
  • みたいムービー 7
  • みたログ 57

3.83 / 評価:36件

英国軍人の気迫を描いた佳作

第二次大戦でイギリスが使用した軍用機には有名な機体が多い。

英国本土防空決戦”バトル・オブ・ブリテン”でナチス空軍と戦った「スピットファイアー」、ドイツ本土に猛爆撃を行った重爆撃機「アブロ・ランカスター」、旧式な複葉機ながら海の戦いで大きな戦果をあげた「ソードフィッシュ」・・・

そんな英軍機の中でも最も変り種が映画「633爆撃隊」に登場したデ・ハビランド社製の双発機「モスキート」であろう。「モスキート」とは”蚊(mosquito)”の事。
軍用機の名称に”蚊”を選ぶとは日本人の感覚では少し考えにくいのだがこのあたりは国民性であろうか・・・。因みに「ソードフィッシュ」は”メカジキ”の意味である。

ところで「モスキート」は何処が他の軍用機と違っていたのか・・・
それは「モスキート」の機体が木製であった事にある。第二次大戦では大半の軍用機はアルミ合金で作られていた。木製とは少し古臭くはないのか・・・?

しかし、「モスキート」は大戦中の軍用機でもトップクラスの高性能機であった。英空軍の主力として大活躍し連合軍の勝利に大いに貢献した。実は木製で航空機を製造するには高度な技術力が必要であった。機体強度の確保や接着剤などの開発は困難を極めた。日本でも四式戦闘機「疾風」を木製戦闘機化したキ106を試作したが技術力が伴わず実用化出来なかった。木製高性能軍用機「モスキート」は当時のイギリスの技術力の高さを証明する機体でもある。

映画「633爆撃隊」は「モスキート」を装備した英空軍がノルウェーにあるナチスドイツ軍の特殊燃料基地を爆撃する、という内容である。それほど複雑なストーリーではなくやや地味な印象を受ける戦争映画ではあるが祖国を守るイギリス軍人の奮戦を讃えた"骨太”な映画だ。
主役のグランド中佐を演じたクリフ・ロバートソンは数多くの映画で軍人役を演じているが本作でも過酷な任務を実行する寡黙な指揮官を上手く演じている。

しかし、「633爆撃隊」の真の主人公は実機の「モスキート」であろう。
この映画は1964年に製作されているが当時は複数の「モスキート」が飛行可能状態であり撮影には3~4機が参加し素晴らしいフライト・シーンを堪能させてくれる。CGやミニチュアでは絶対に再現出来ない"本物の迫力”である。同時期の邦画の戦争映画の大半がミニチュア撮影であった事と比較してもその差は歴然としている。

多くのアメリカ・イギリス軍を描いた戦争映画は”連合軍の勝利、正義の聖戦”というスタンスである。本作もイギリス軍の聖戦を謳っている点は同様であるが登場する軍人の大半が戦死するなど戦争の悲壮な面を強調した点でも特異な作風である。

※補足1)クリフ・ロバートソンは「ケネディ魚雷艇109」で若き日のジョン・F・ケネディ海軍中尉を演じたが実在のケネディ氏にとてもよく似ていた。

※補足2)「モスキート」がゲシュタポ本部を爆撃するシーンがある。
そのシーンで女性SS将校が登場するが彼女が着ているSSの制服は完全に考証ミス。この映画はドイツ軍の考証は全体的に甘く軍事マニアにとっては「モスキート」の良さを相殺してしまうぐらいだ。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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