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ロレンツォのオイル/命の詩

Kurosawapapa

5.0

マッドマックスだけじゃないミラー監督名作

難病である副腎白質ジストロフィーに襲われた息子ロレンツォを助けるため、解決策を見出そうと粉骨砕身するオドーネ夫妻を描いたドラマ。 本作は実話に基づいており、オドーネ夫妻など登場人物の名前は実際の名前が使われている。 ジョージ・ミラー監督というと「マッドマックス」シリーズ。 壮絶なバトルゆえ、歯を食いしばって見るような映画だが、 本作も別の意味で、歯を食いしばって見なければならない作品。 ジョージ・ミラー監督の迫真の映像作りは流石だ。 父親役にニック・ノルティ。 母親役にスーザン・サランドン(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)。 そして、息子ロレンツォ役のザック・オマリー・グリーンバーグの苦しむ姿は、もはや演技を越えている。 麻痺、発作、硬直、、、 そして悲痛な叫びは、親として鑑賞するのはかなり辛い。 さらに、 ・女性の遺伝的要因で発症することを知った母親の罪悪感 ・医師の考えとの対立、構築できない信頼関係 ・試験的治療の失敗 ・金銭的問題 と、 次々と重石がのしかかってくる。 本作は、安全性、認可、補償、保険等がネックとなり、なかなか治療が進まない、 医学向上に対する問題提起にもなっている。 暗中模索の中、 両親は医学図書館に通い自ら医学を学び、動物実験を参照し、世界中の研究者や一流の医学者に問い合わせ、活路を見出していく。 発見されて10年足らずの病気。 治療法が無いと言われる病に対し、必死に挑んでいく父と母。 遺伝学、生化学、神経学、微生物学、、、 銀行マンの父親が医師の学識を凌駕していくのは、凄まじい執念。 また母親も、ホスピス、安楽死を選択肢として提案されても、 どこまでも試練の道を選ぶ。 「 あなたは病気に選ばれた特別な子 」 子供が悲痛の叫びを上げても、決してネガティブには考えない。 付き添いの看護士や親族でさえ苦難の道から脱落していくが、 決して母親だけは、 “信じることの強さ” を失わない。 病魔に苦しむ子供、必死に打開しようとする両親、そして地道に支える人々、 それぞれに、人間の底力を感じさせる秀作。 ・追い込まれた時にこそ耳を傾けるべきもの ・苦しくとも、決して失ってはいけないもの そんなものが見えてくる。 両親の子供に対する “愛” が医学の壁を打ち破る、 そんな物語に、多々感動せずにはいられません。

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