わが谷は緑なりき
エル・オレンス
5.0点
生涯、史上最多4度のアカデミー監督賞に輝いた名匠ジョン・フォードの渾身のヒューマンドラマ。 同1941年の作品賞候補である『市民ケーン』も素晴らしいですが、当時の評価では本作に軍配が上がり、受賞に至りました。 2時間にかけて映し出されるものは、ごく平凡の家庭、市民たちばかりですが、観終わったころには自分の心がとても清まり、温かくなっています。 主人公ヒューにとっての「緑」とは、故郷の谷というより、少年時代の彼を包み込んだ父、母、兄、姉、そして牧師をはじめとする町の人々の心の繋がりの深さを意味しているのだと思います。 白黒だと観るのに抵抗ある人もいると思いますが、それは勿体無い!むしろ白黒だからこそ、これほど深みあるまさに「緑」あふれる作品が生まれたのだと思います。 ====================================== ★1941年アカデミー賞 5部門受賞 作品賞、監督賞、助演男優賞(ドナルド・クリスプ)、美術商、撮影賞
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