元ネタは「メアリー・ベル事件」
- シオ さん
- 2015年5月24日 22時31分
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シュレーディンガー著者の『生命とは何か』
分子生物学から量子の世界まで幅広く愛読される
名著であるが、専門用語がふんだんに挟まれるために
非常に難解な本である。
なんとか読み終えた感想は、
生物は(コピー)による種の存続を諦め、
遺伝子の掛け合わせによる種の存続を選択した。
何故なら、(コピー)ではただ一種のウィルスにより
種が全滅させられる危険性が発生するからであり、
遺伝子の組み合わせによる多用性の道を選択
することが、全滅の危機を
回避させる事ができるものだからである。
よって、(生物の多用性)により何割かの人間は殺人に対して
他者の痛みを共感できないばかりか、
殺人の行為や他者の苦痛に対して性的快楽を得るものが
確率論的に必ず一定数存在するシステムなのであり、
それが多用性を選択した人類の(祝福)と(呪い)といえる。
その事を描いたのがまさに本作であり、
それらの人々が何故そうなったのかを
検証することがいかに不毛な事であるかを思い知らせてくれる。
しかし、誤解してはならないのが
その種の存在が必ずしも絶対悪というわけでなく
多用性を選択した人類が確率論的に遭遇する不可避なものであり、
それを如何に防ぐかよりは、如何に適切に対処するかのほうが重要なのでは
ないかと思わせる作品となっている。
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