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われら自身のもの (1950)

OUR VERY OWN

監督
デヴィッド・ミラー
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3.75 / 評価:4件

ナチュラルな描写が大きな魅力

  • rup***** さん
  • 2015年11月15日 23時12分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

アメリカの中流家庭に育ち、ハイスクールの卒業を間近に控えた多感な年頃の娘が、ある日突然自分が養女であったことを知らされショックを受けるというお話。製作者サミュエル・ゴールドウィンの作風にふさわしい素朴なタッチで描かれる良心作です。

製作年が1950年ということもあり、家に初めてテレビがやってくる日の出来事が導入部になっています。テレビの設置工事にやってくる男性の1人がアン・ブライスが演じるヒロイン(ゲイル)の恋人チャックで、ファーリー・グレンジャーがごく普通の爽やかな青年を演じています。この当時は「夜の人々」や「見知らぬ乗客」のような犯罪がらみの不幸な状況に陥る若者役が多かったので、本作のように癖のないストレートな性格の役のグレンジャーが観られるのは結構貴重な気がします。

設置工事の最中には、いろいろ手を出したくて堪らない様子の三女ペニー(ナタリー・ウッド)が仕事の邪魔をしてくるのが面白いです。ナタリーは、子役演技丸出しという部分もありますが、「三十四丁目の奇蹟」でのこましゃくれた性格の女の子よりも、ずっと年相応の子供らしさが出ていました。

さらに、帰宅した次女ジョーンがチャックに対してアプローチをする姿から長女ゲイルに恋のライバルとしての対抗心を燃やしているのが分かり、先のトラブルを予感させます。
この次女を演じるジョーン・エヴァンスが性格的に一癖ありそうな雰囲気を上手く醸し出していて、印象に残る演技を披露しています。当時ゴールドウィンが売り出し中の若手の女優さんですが、映画デビュー作である「山のロザンナ」における正統派のヒロインよりも本作みたいな役柄の方が彼女には似合っているように思いました。

設置したばかりのテレビの前に家族が集まって、父親(ドナルド・クック)がうまく映らない画面を調整しようとして苦戦するといったシーンには、庶民的な家庭の雰囲気がよく出ています。

また、ゲイルとチャックが海岸へデートに出かけるシーンが新鮮な魅力にあふれていて素敵です。背中に砂で文字を書いて当てさせるなんていう初々しい描写もあって、青春物の爽やかさ全開といった感じで嬉しくなります。

ジョーンが夏休みのバイトをしようとして、母親(ジェーン・ワイアット)から教えてもらった出生届の保管場所を見てみると、ゲイルの養子縁組書類が目に留まるというのも自然な展開。何気なしに保管場所を教えてしまった後にハッとなる母の表情をとらえたショットが良いです。

ゲイルの18歳の誕生日会で何かと挑発的な態度をとるジョーンに対して意見をしようとするゲイルに、ジョーンは思わず彼女が養女であるという秘密を暴露してしまい、ここからゲイルの苦悩が始まることに・・・。

ゲイルは実母(アン・ドヴォラック)に会いにいこうと考えます。実母には夫がおり、娘がいることは夫には話していないため、娘が会いに来ると聞いてこっそりセッティングをしますが、その日は運悪くいつもは外出するはずの夫が仲間たちと家でポーカーに興じているというハプニングが・・・。実母との対面に思いを馳せるゲイルと夫に知られまいとして娘に母親らしい態度で接することができずにいる実母。2人の思いがすれ違う様子が見事に描き出されていました。

気持ちの持っていきどころのないゲイルは、裕福な家に暮らしていても親が留守がちで常に寂しい思いをしている友人ザザ(フィリス・カーク)のもとへ。育ての両親は家で気を揉み、父親は深夜遅くに帰ってきた娘に思わず手を上げてしまう・・・。
そして、複雑な思いを胸に迎えるゲイルの卒業式。総代に選ばれた彼女が壇上で語るスピーチが何とも清々しい気持ちにさせてくれます。

長女のゲイルを演じたアン・ブライスの思春期の娘らしさに溢れた演技がとても魅力的です。「ミルドレッド・ピアース」の性悪娘などとは対極にある役ですが、ミュージカル作品での美しいソプラノの声と共に、私の中のアン・ブライスは、本作の娘役のイメージで彩られています。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • ロマンチック
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