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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

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2.0

ネタバレさあ、4時間をドブに捨てる覚悟はいいか?

映画史上最高傑作(笑)「ゴッドファーザー」に乗れなかったので、コッポラじゃ話にならん、やっぱレオーネ御大だよね! 先生、お願いします!! で…。 …終わっちゃったよ…「なんかパッとしないギャングだったジジイの昔話の繰り言を聞かされるけど、話がいちいち前後してややこしいったらありゃしない」的な、4時間の苦行が…。 いや、セルジオ・レオーネは個人的に心酔する映画史上の名監督、と思っており、「続・夕陽のガンマン」「ウエスタン」「ミスター・ノーボディ(トニーノ・バレリと共同監督)」なんか、墓に入れて行きたいほど好きな作品なんですが。個人的にヤクザ映画は嫌いなので、いくら巨匠の遺作だからって、長年食指が動かなかったって事もありますが…こりゃ酷い(^^;) 良い所を評価するなら、当時のアメリカの風俗を極めて細やかに再現したセットや美術の美しさ、位で…他にいい所あった? まあ、「ゴッドファーザー」ほどには、ギャングという存在を「浄化・漂白」していない、イタリアならではの下品さは、却って好感が持てましたが、そもそも物語自体が普通に面白く無い…。 前半、少年たちがチンピラから成りあがっていくあたりの生き生きとした描写は少し期待したんですが、なんか大人になってからはもう話の内容も進み方もグダグダです(^^;) 男同士の友情? なんかピンと来ない。主演のギャング4人の描写も、マックスとヌードルス以外は結構雑だし、ロバート・デ・ニーロは勿体付けた感じで鈍重、何と言ってもジェームズ・ウッズは芝居が軽い! ジェニファー・コネリーだったはずのデボラが成長した後のガッカリ感、二人の恋愛関係のつまらなさは言わずもがな。 それにまあ全編通して別に大したことが起きてるわけでもないのに、ただ黙って見つめ合ってるだけのようなシーンを延々引っ張るし…(ああいうの詰めただけで1時間は短くならない?(^^;) しかも物語の起伏がほとんどなく、後半、突然「連邦準備銀行を襲撃する」とかぶち上げるも、そのための準備の仕掛けを絵解きするかと思えば、「ただ言ってみただけ」に等しい展開には目が点になりました(^^;) さらには、「金はどうなった?」「ベイリー長官の正体は?」みたいな取って付けたようなミステリー風味が物語の通奏低音にはなっているのですが、まあ説明不足で分かりにくいし、極めつけは「ラストのヌードルスの微笑みの意味は?」みたいな事言われても、 いや、もうそんなん ど - で も え ー わ !! この4時間見切るだけでもしんどかったのに、お好きな方には「意味が分かるまであと何度見直すか…」みたいな観方をする人もいるそうですが、いや、とても付き合いきれません。こんな空疎な映画の中身を考察することに余生を浪費する位なら、他にこれまで見損なってた映画2本づつ観る方がよっぽど有意義と個人的には思います…。 レオーネの盟友、エンニオ・モリコーネの音楽も、甘っちょろくセンチメンタルな感じの旋律が垂れ流されるだけで、まるで精彩を欠いています。 正直、観なければ「巨匠の遺作」という幻想の中で、“究極のギャング叙事詩”的な物語を想像しておられた物を…と残念な思いしかありませんでした。 結局のところ、自分は情緒的にギャングに入れ込んだヤクザ映画とはとことん相性が悪いのだろうな、ということなんだろうなと思います。そもそも嫌いだし。(でも「仁義なき戦い」は、下世話で下品なドラマとして十分に“面白い”と思ったし楽しめたのですが…) それにしても、70年代以降の洋物ギャング映画はやたらと重厚で長ったらしく勿体ぶった語り口の作品が多いですが、これって、考えてみると、「ヤクザが相手を威圧しながら自分のペースに取り込もうとする」一連の行動と似通ったところがある感じで…なんか、映画館の暗闇でわざわざ観たい物語でもない感じです。 いやしかし、この映画の鈍重さと勿体ぶり過ぎた語り口は、個人的に好きなレオーネ監督の過去の傑作にも共通するところもあるのですが、逆に、過去作についても改めて根本的な疑問を持ちそうになる感じが、新鮮と言えば新鮮でした(^^;)

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