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ウンベルトD

ウンベルトD

UMBERTO D

87

スーザン

5.0

愛犬が支えなのが救いであった。

戦後のインフレにより生活苦を強いられる年金生活者ウンベルト(と愛犬フライク)の物語。 同じくデ・シーカ監督の『自転車泥棒』同様、貧しさに切羽詰まりどうしようもなくなってしまうのが本当につらい。 ウンベルトは早急に部屋代を払わないと追い出されてしまう身。 対照的に下宿の女主人や、そこに出入りする人たちは華やかだ。 下宿屋のお手伝いの女の子は教養も無く、誰の子か分からないような子を身ごもっている。 チャップリンの映画ならここでウンベルトがひと肌脱いだり、清く貧しく美しく・・・という所だが、デ・シーカのネオ・レアリズモはそんなに甘くない。 常に身だしなみを整えたり、体裁をきっちりするウンベルトには、物乞いや救済施設へ行くという選択はない。 金策にほとほと疲れ果て、いっそのことフライク共々線路に飛び込んで・・・と思うがそれも上手くいかない。 観ている方も、暗く悲しくしんどい。 フライクの存在がせめてもの救い。 だが、もうラストはどうしようもない。 本当にどうしようもない。 こんなリアルさってある・・・?

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