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映画に愛をこめて アメリカの夜 (1973)

LA NUIT AMERICAINE/DAY FOR NIGHT

監督
フランソワ・トリュフォー
  • みたいムービー 85
  • みたログ 487

4.17 / 評価:142件

Woman is magicalー魔物?

  • 美南海 さん
  • 2008年1月14日 10時19分
  • 閲覧数 226
  • 役立ち度 27
    • 総合評価
    • ★★★★★

ひじょーに簡単に説明すると、映画の撮影現場を描いた映画、です。
(ちなみにカラー映画ですよ、一部夢のシーンのみモノクロですが)

「映画を愛するすべてのひと必見の名作!」として名高い作品ですが、
例によってほとんど予備知識なしでみたので、最初はピンときませんでした。
ストーリー性は弱く、物語としての感動を求めて観ると期待外れに感じるかも。

私は最初、お話自体にはちょっと退屈さを感じつつも、
動いて話すトリュフォー監督のリアルさ!
子供の頃大好きだった「大人は判ってくれない」のジャン・ピエール・レオーのダメ男っぷり!
なんかを楽しんで観ていました。
映画製作過程で起こるトラブル、スタッフや俳優たちの我儘なんかもクスリと笑えます。

そして、お話にグイっと引き込まれるきっかけになったのはやはり中盤、
美女ジャクリーン・ビセット登場!のあたりからでしょうか。
いや~~憂いがあって美しい、、、溜息。。。

前半は多少散漫に思えたエピソードも、
後半に入るとそれぞれさまざまな結末を迎え、
やっと私にもこの映画が描きたかったもの、映画の全体像が見えてきました。

エピソードはみな細切れなのですが、特に印象に残ったのは、
「女は魔物かーWoman is magical?」を映画中何度も繰り返していたジャン・ピエール。
みんなの返答が、各々なかなか面白いです。
ジャンのお決まりのこの質問へのジャクリーン・ビセットの返答も、なかなか興味深かった。
「女も男も同じ、ただ生きているだけ。でもそれが素晴らしいーEverybody is magic. Nobody is magic」

ジャクリーンはちょっと非現実的なくらいに、天使のような女性として描かれています。
彼女とは対照的に魔物として描かれるジャンの恋人(個性的な素人俳優さん)や、
「私には恋より映画が大事」と宣言するADの女性など、
他にもいろんなタイプの働く女性が出てくるのも面白いです。

そして、何といってもこの映画のクライマックス!いちばん感動的なのは、
俳優たちがセリフを言うシーンではなく、
セリフはナイ、ただただ撮影現場の様々な様子、人々が描かれるシーンでした。
映画って、細かい努力の積み重ねがもたらす、奇跡!なんですね。
一本の映画を作成するのにこれだけの労力と愛情が捧げられている。
映画への愛が、ほんとうに、心底伝わってきます。

そういったシーンに重なるバックの音楽!に心が躍り、そして、ジーンときました。
こういった演出方法は、後にいろんな映画でも使われています。
この映画自体もさらに過去の名作や名優へのオマージュで満ちていました。

今となっては映画の製作過程もずいぶん変わったとは思いますが、
それでもこの作品が描くのは技術的なことではなく“人”なので、
いつまでもその魅力が色褪せることはないのですね。
納得の名作です!!


最後に余談。
フランソワ・トリュフォー監督はアルフレッド・ヒッチコック監督の崇拝者として有名で、
彼のヒッチコック監督に関する著書「映画術」はなかなか読み応えがあって面白いです。
この映画を気に入ったかたにお薦めします。

詳細評価

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