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丘の羊飼い (1941)

THE SHEPHERD OF THE HILLS

監督
ヘンリー・ハサウェイ
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3.00 / 評価:2件

ハサウェイ&ウェインの初タッグ作品

  • rup***** さん
  • 2015年9月30日 23時34分
  • 閲覧数 570
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は、ジョン・ウェインが「駅馬車」で注目を集めるようになってから2年後の作品で、パラマウントのようなメジャーなスタジオでは、まだ1人で主役を張れるような地位を確立していなかった頃の出演作です。
ウェインがメインキャストとして出ていても、いわゆるジョン・ウェイン映画ではなく、あくまでも物語の登場人物の一人という位置づけの作品になっています。

サイレント時代にも2度映画化されているハロルド・ベル・ライトの原作小説を映画化した作品で、鮮やかなテクニカラーで撮影されています。ヘンリー・ハサウェイ監督作品としては、「丘の一本松」と似たような雰囲気で、山や木々の自然をとらえた風景の美しさは格別です。

ウェインは、山の中で密造酒作りをして生計を立てている叔父叔母夫婦の家族の一員として暮らしている若者の役で、叔母からの刷り込みによって今は亡き母親を捨てたとされる父親を憎むように仕向けられてしまった直情的な性格の青年を演じています。本作では、ウェインが自らのスタイルでの演技を前面に出していないところに新鮮な印象を受けました。

また、ウェインを慕っている近くに住む年頃の娘をベティ・フィールドが演じていて、この人は結構クセのある役を演ることが多いですが、女優然としていないところがいいですね。本作でも裸足で野山を駆け回るような自然体な姿が魅力的です。

そして、何よりもこの物語で最も大きな存在を示しているのが、ウェインの暮らす一家のもとに突然現れ、ウェインが愛する亡き母の思い出の土地を言い値で買い取る年配の男を演じたハリー・ケリーで、思慮深く円熟した渋い大人の男の姿が体現されています。

ケリーとウェインの男二人が紡ぎだすドラマは、まさにハサウェイ監督の真骨頂ともいえるもので、表面的にはドライな中にも内に秘めた温かいものが感じられる2人の関係性が見事に描き出されていました。
ケリーは、のちに「拳銃無宿」でウェイン演じるガンマンを常に監視しつつも包容力を示す人間味のある老保安官を演じていましたが、こちらはウェイン自らプロデュースした作品だったので、ケリーの起用は本作を意識したものだったのかもしれません。

憎しみの塊のように性格がねじ曲がってしまった叔母役のビューラ・ボンディや雷に打たれて障害を負った息子役のマーク・ローレンスの存在も印象に残ります。ただ、ラスト近くで火をつける場面では狂気を強調させすぎな気もしますが…。

ウェインの母親が亡くなった経緯について若干あいまいな部分があるものの、小屋に残されていた揺り椅子の扱いには後年の「エルダー兄弟」と同じような味わいがあり、姿はなくともその存在が感じ取れる演出には、ハサウェイ監督の上手さを感じました。

詳細評価

物語
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