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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ V/天地撃攘 (1994)

龍城殲覇/ONCE UPON A TIME IN CHINA 5

監督
ツイ・ハーク
  • みたいムービー 4
  • みたログ 23

3.00 / 評価:5件

黄飛鴻系列之第五弾!

  • lamlam_pachanga さん
  • 2011年5月29日 20時35分
  • 閲覧数 572
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

予想してたことだけど、やっぱり閑古鳥だねぇ・・・ってことで、90年代古装片の代表作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(通称『ワンチャイ』)シリーズの第五弾・『ワンチャイ?/天地撃攘』。

チウ・マンチェク主演となって二作目(そして最終作)となる本作では、前作が相当酷い出来だったせいかシリーズの生みの親であるツイ・ハークが監督へ復帰。それと一緒に前作を留守にしたヒロイン役のロザムンド・クワンと、こちらは一作目以来となるケント・チェンまでも戻ってきている。だが前作から登場のジーン・ウォンもそのまま続投しているので、彼女のファンはご安心。

前二作では北京で暴れた黄飛鴻は、本作では久々に地元の広州へ戻り、そこで海賊退治に出向くことに。

前作ラスト、列強の侵略が本格化した北京から脱出した黄飛鴻(チウ・マンチェク)はようやく広州に帰り着くものの、その治安は海賊が横行するほど乱れていた。長引く列強との争いに疲弊した清朝には最早統治能力はなく、事実上の無政府状態となった祖国の現状に苦しむ民衆の姿を目の当たりにした黄飛鴻は、弟子たちと共に海賊退治に乗り出す。

この映画を観た時にちょっと思ったのは、さすがのツイ・ハークもそろそろネタ切れなのかなってこと。その海岸線の形状のせいもあるんだけど、歴史的に海賊の根城とされてきた香港一帯にはその手の逸話が多いし、香港映画に海賊退治の物語が多いのも事実(有名なのは『プロジェクトA』だろう)。けど、それをまさか前作のあの展開(亡国の危機)の続きに取り入れるとはねぇ。確かに国の未来を背負っての戦いは二作目の『天地大乱』で描ききってるし、シリーズ最高傑作とも言われるあの作品を超えるのは難しかっただろうけど。だからって、海賊退治?どうしてもいまさらって感じもするんだけどな。ところでこの映画に登場した張保仔は実在した人物で、配下数千人を率いる海賊だったんだとか。面白いのは、清朝に鎮圧された後は武官に取り立てられてること(因みに海賊になったのは幼少期にさらわれ海賊に育てられたせいらしい)。多分、ツイ・ハークは張保仔と黄飛鴻を戦わせたくなったんだろうなぁ。両者の時代は100年くらいずれてるのを無視しちゃうんだから、やっぱりこの人は変わらない(笑)

ちょいと残念なのは、武術指導のユン・ブンが続投しているため、アクションは前作同様に見映えがしないことかな。あくまで私個人の感想だけど、どうもチウ・マンチェクの良さが引き出せてない。リンチェイの華麗な演武とは違い、マンチェクは硬質な演武が上手いのだから、それに合わせた振付を考えて欲しかった。私はワイヤーも香港映画の文化だと思うのでそれを多用することは構わないんだけど、今回のユン・ブンはその使い方が平板なんだよね。垢抜けないと言うのか、独創性に欠ける。余談だが、ワイヤーを利用した演出でチン・シウトンの右に出る者はいないね。何で彼を起用しなかったんだろう?彼ならツイ・ハークとも阿吽の呼吸なのに。

だがこの映画で一番衝撃を受けたのは、あろうことか、黄飛鴻が拳銃を撃ちまくること。あれには腰が抜けた。

賛否は別にして、この演出を思い切れるのはツイ・ハークだけ。主人公が拳銃を撃ちまくる古装片なんて、もう呆れるしかない(笑)一作目で「カンフーは銃に勝てない」と言う名台詞と共に「西洋文化(銃)×東洋文化(カンフー)」の構図を生み出し、その中で「中国のアイデンティティー」を模索し続けたた彼は、何とシリーズも五作目にしてそこ(西洋)を受け入れる決断を下してみせた。まあ、彼がそこまで考えていたのかは自信ないが、ただどちらにしろ観客受けしないことくらい気付けとは言いたい(古装片観るヤツが銃撃戦を期待するか?)。その代わりに、カンフーの方はション・シンシンが頑張っている。

ところで前作で黄飛鴻に横恋慕した妹の十四夷(ジーン・ウォン)は、今回は姐の十三夷(ロザムンド・クワン)が登場するため、その立場に苦しむことになる。一方の十三夷は妹の気持ちに気付くが、それに嫉妬しまくり。せっかくダブル・ヒロインとして登場させたのに、両者痛み分けの良いトコなしに終わったのは、そもそも十四夷に恋心を抱かせた前作の設定に問題がある。結果、何故か態度をはっきりさせない黄飛鴻に苛々することになるんだよなぁ。この状況もマザコン・キャラのリンチェイなら面白かったのかも知れないが、ユーモアのセンスを欠くマンチェクでは妙にイラつくだけ(笑)

思い出したことは全部書いたが、最後に、この映画も前作同様の大失態を犯していることを指摘しておこう。

またまたクライマックスに「将軍令」が流れない・・・それだけではなく、今回はオープニングの「男児當自強」も流れない(涙)

そんな『ワンチャイ』あるか!!

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