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生まれながらの悪女

生まれながらの悪女

BORN TO BE BAD

94

bakeneko

5.0

ネタバレあたしに跪きなさい♡

アメリカの女流作家:アン・パリッシュの“All Kneeling:跪きなさい 皆の者”をジョーン・フォンテーン主演で映画化したもので、前年度の「忘れじの面影」などで“儚げでいじらしい女性”を演じていた彼女の本格的な悪女役を愉しむ?ことが出来ます。 サンフランシスコで秘書として働くドナ(ジョーン・レスリー)の元に、上司の姪で田舎育ちのクリスタルベル(ジョーン・フォンテーン)が都会生活を満喫するために住み込むことになる。華やかなパーティや男子との恋には積極的だが専門学校での勉強や地道な仕事には興味がないクリスタベルは、気鋭の小説家ニック(ロバート・ライアン)と関係を持ち、画家のガブリエル(メル・ファーラー)とも親交を持ったうえで、資産家のドナの婚約者カーチスを篭絡する。しかし、ニックとの愛人関係も保持したい我儘さが男たちに露呈して…というお話で、同年に創られた「イブの総て」のアン・バクスターと悪女を競っている映画となっています。 しかしながら本作のヒロインはイブの様に計略的ではなくて、女としての本能に忠実に“お金も愛も両方欲しい”というクレクレタコラ状態で、計画もあまり知能的ではないことが「イブの総て」とは異なっていて、富豪のカーチス以外の小説家と画家は最初から彼女の本質を見抜いているところもリアルであります(ジョーン・フォンテーンとしては、スカーレット役に落ちた「風と共に去りぬ」のスカーレットを自分なりに演じてみたかったのかもしれません) 32歳とティーン役にはちょっと無理がありますが、脂の乗りきった頃のジョーン・フォンテーンの悪女を眺めることのできる珍しい作品で、ジョーン・レスリー≒ベティ・デイヴィス、メル・ファーラー≒ジョージ・サンダースといった風に「イブの総て」とそれぞれの登場人物を比較してみるのも一興ですよ! ねたばれ? 1、飛行機好きの富豪のカーチスは本作のプロデューサーのハワード・ヒューズがモデルとなっています。 2、そのハワード・ヒューズが書いたという本作には別エンディングがあります(以下)。 カーチスから離縁を言い渡されたあと、クリスタベルが乗っていた車が転落事故を起こし、彼女は病院に担ぎ込まれるのだが、そこの若いハンサムな医者にさっそく目をつけ、医者の妻に訴えられる。そこに、ガブリエルが描いた彼女の絵の値段が2倍につり上がるショットが挿入される。次に、クリスタベルが離婚のことで訪問した弁護士を誘惑して籠絡する。そしてまたしてもウィンドウの絵が2倍につり上がるところENDとなります。 3、原題の“All Kneeling:跪きなさい 皆の者”は、クリスタベルの性格と、彼女をモデルにしてガブリエルが描いた聖母像に閲覧者がマリアを敬うように跪くことを重ね合わせています。

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