1940年代、中国上海での人間ドラマ
- emi***** さん
- 2016年11月17日 13時56分
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いつの時代も立ち退きはつらいもの。
1940年代の中国。国民党と共産党の内戦、国共内戦も終盤にさしかかった上海のとあるビル、これがまた趣のある建物。住人はアメリカの缶詰などを売る商売屋、教師の夫と妻子、元のビルオーナーで博識かつ子供に慕われるおじいちゃん。
国民党のエライさん(侯、ホウ)は愛人をそのビルに住まわせています。
住民の子供たちは、その侯氏を皮肉る歌を歌っています。
「猿が車も愛人も手に入れた~♪」
ある日、国民党がそろそろダメだと察した侯はビルを売りに出し、住民に立ち退きを迫ります。
団結して抵抗するかという話し合いもまとまらず、それぞれに解決しようと奮闘していく様を描く人間ドラマ。
悪役の侯氏が猿顔で小憎らしく、いい味だしてました。
あとは病気になる娘、ウェイウェイがかわいい。
「ママ!」「パパ!」くらいのセリフだけど、光っていました。
俳優一人一人の個性もバランスいいし、大勢を使った撮影の緊迫感(闇市場のシーン)など、中国映画のレベルの高さを感じました。
原題は「烏鴉與麻雀(意味は邦題と同じく”カラスとスズメ”」で、その中の「麻雀」はマージャンではなく「スズメ」の意味です。
でも映画には侯たちと住民との麻雀シーンもあって、偶然かもしれませんが暗示的で興味深い。
元々の意味としては、カラスは腐敗した役人の象徴、スズメは一般市民のシンボルだそうです。
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