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あなたが寝てる間に…

あなたが寝てる間に…

WHILE YOU WERE SLEEPING

103

風よ吹け

5.0

ネタバレ「めぐり逢えたら」と双璧の傑作コメディー

メグ・ライアンが「めぐり逢えたら」で不動の地位を築いたのと同様に、サンドラ・ブロックにとっての代表作ですね。 母を早くなくし父とも死別したばかりのルーシーはシカゴの駅の窓口業務。人生に変化を求めてはいるけれども、結果的にはずっと独り暮らし。そんな彼女には密かに思っている人が。それは毎日通勤電車に乗るあるサラリーマン。その彼が、ある日ホームでからまれて線路に転落。ルーシーは必死で彼を助けて病院に。 彼・ピーターが昏睡している間に、家族がやってきて、看護婦の一言から婚約者だと勘違いされる。祖母の心臓発作のこともあって真相を明かしそびれている間に嘘はどんどん膨らむ。家族のクリスマスパーティーに呼ばれた晩、ピーターの弟ジャックが現れる。ルーシーの振る舞いに不信感を覚えたジャックは、独自に調べ始めて、ルーシーの大家の息子との関係を調べたりしている間に、ルーシーに恋を。ルーシーもいつの間にかジャックとの会話がはずみ、不思議な関係に。 だが、その中途半端な状態も永遠に続くわけではなく、ピーターは昏睡から目覚める。婚約の記憶がないのを記憶喪失だと決めつける一同。ピーターもルーシーに改めて婚約を申し込む。 結婚式の当日、ルーシーは意を決して真相を告白。ピーターのもう一人の婚約者も乱入しはちゃめちゃに。 すべてが終わり、仕事もやめることにしたルーシーの最後の日、窓口から指環が差し出される。ジャックと家族だった…。 ラストでせっかくプロポーズしてくれたピーターを振る、というくだりに若干のわだかまりを感じるんだけど、まあそれは仕方ないか、という感じで、その分、一見優等生に見えていたピーターの影の一面も明かすことでバランスをとっているんでしょうかね。でも心を入れ替えたピーターには、またいい出会いが訪れるということでしょうね。 ジャックの家具職人として一人立ちしたい、という家族話と、天涯孤独になったルーシーとの対比が思いの外心に染みる、ハートウォーミングコメディーでした。 ジャック役のビル・プルマンにとっては、「めぐり逢えたら」で、メグ・ライアンに花粉症だというだけの理由で理不尽に振られたリターン・マッチ。特上のイケメンではないですが、素朴な魅力をいかんなく発揮して見事にリベンジしました。 よく見てみるとサンドラ・ブロックという人は決して文句なしの美人を売りにしているのではなく、性格描写の細やかさで裏に生活感をきちんと匂わせるうまさがある人ですね。普通の女優さんが演じると「なんでこんな美人がもてないのかな」と設定が不自然に感じられるところ、ああこういう仕草や表情をしているのは自分に自信がないからだな、とか、不細工な表情をうまく取り入れていますよね。「スピード」はもちろん彼女にアクション女優としての資質もあると証明した形ですが、彼女本来の魅力は引っ込み思案の弱さだったり、ちょっとオタッキーなリアクションに凝縮されている感じがしました。

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