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9か月

9か月

NINE MONTHS

103

cpd********

5.0

ネタバレブラボー! コロンバス

最愛の女性から「あなたの子供が出来たのよ」と聞かされても、今一実感が湧かない。 パパになるということは、当然のことながらそれまでの生活スタイルからサヨナラしなくてはいけない。もちろん、漠然とした不安もあるだろう。実際に自分の子供を目の前にしない限りは、何か他人事のようで現実感がないのだ。 最初、主人公は彼女に気兼ねしながらも、本心は「子供なんていらない」と思っていた。しかし、彼女が家出して初めて事の重大さに気付き、病院で医者から渡された胎内ビデオを一人観ては涙を浮かべる(このシーンがいい)。小さな命の鼓動が、自分の分身が現実に目の前に現れた。 「心臓が動いている・・・」 ジーンと来る場面だ。 それからというもの育児書は買うし、女性ばかりの講習会にたった一人男として参加するし、折角買ったお気に入りの二人乗りスポーツカーもファミリーカー(チャイルドシート付き)に買い換えるし・・・と大きな変わりよう。そして、友人の協力も得、彼女との切れかかった糸がついに繋がる(拍手喝采)。 幸福感いっぱいのコメディ映画である。 観ている観客もいつしか頬がほころび、一緒に幸せを共有している、そんな映画だと思う。 シナリオもいいし、演出もいい(冒頭、浜辺のシーン。知り合いの子持ちファミリーと出会う切っ掛けがおかしい。よくもこんなアイデアが浮かぶもんだと感心させられるし、オープニングカットにちゃんとその伏線を張っているところなんぞは、思わずうまいっと叫びたくなる)。 ロシア人新任産婦人科医役のロビン・ウイリアムスは凄いと思う。この人が登場しただけでぱーっとシーンが明るく映える。生来のコメディアンではなかろうか。 主役の二人やその脇役も安定した演技で何も言うことはない。流石コロンバス監督!と、うならされる傑作だ。

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