ここから本文です

ピーター・パン (1924)

PETER PAN

監督
ハーバート・ブレノン
  • みたいムービー 1
  • みたログ 6

3.00 / 評価:2件

ベティ・ブロンソン主演のサイレント版

  • rup***** さん
  • 2019年8月18日 22時31分
  • 閲覧数 45
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

舞台劇をスクリーンに移し替えたという印象が強い作品ですが、映画ならではの映像のトリックが随所に使われていて、サイレント時代のレトロ感とともに独特な味わいを楽しむことができます。

まず、冒頭でダーリング家の子守犬ナナが見せる仕草が面白い。
俳優が全身着ぐるみを着て演じているので、でっかいワンちゃんのぬいぐるみのように見えても、嫌がる子どもたちのお風呂の支度をしたり、薬のスプーンをくわえて運んだりといった仕事を器用にやってのけるところから、すでにファンタジー色が満載です。
今でいえば、”ゆるキャラ”の可愛さに通ずるところがありますね。

ベティ・ブロンソンの扮する主人公のピーター・パンは、舞台のミュージカルでは女優がピーターを演じるのが長年の伝統となっているので、全く違和感なく観られますし、少年らしい健康的な容姿と女性が演じることによる柔らかな雰囲気が感じられて、快活で屈託のない見事なピーター・パン像を創り上げています。
コケコッコーと叫ぶときのポーズも可愛らしい。

そして、メアリー・ブライアンが演じるウェンディとのやり取りを観ると、ピーターはずっと少年の心のままなのに対し、大人の女性へと成長しようとしているウェンディとの気持ちのズレがきちんと描かれている場面が良いです。
ウェンディがピーターに寄せる想いがピーターには分からない。「男子より女子の方がマセている」と言われる典型例が示されていて興味深いです。

また、空を飛んでいる姿が燃えている炎のように見えるティンカー・ベルは、演じている女優さん(ヴァージニア・ブラウン・フェアー)のアップショットがないので、表情などは読み取れないものの、コティングリーの妖精写真を見るような生々しさが感じられて、特別な存在感があります。

さらに、フック船長(アーネスト・トーレンス)も愛嬌のあるキャラクターで、行儀作法の本を読んでウェンディには紳士的に振る舞うほか、ピーターとの戦いでも往生際良く退場するのが、私などからするととても微笑ましくて好感が持てるのですが、今どきの映画に慣れてしまっていると、逆にアクがなさ過ぎてかったるく感じられてしまうかもしれませんね。

また、原作と異なっているのがダーリング家の子どもたちがロンドン出身ではなく、アメリカ人という設定になっていることです。子どもたちが勝利を収め海賊たちから分捕った船には、ユニオンジャックではなく、星条旗がたなびきます。

タイガー・リリー役はアンナ・メイ・ウォンですが出演場面が少なくてほとんど印象に残らない一方、お母さん役のエスター・ラルストンが美しく、包容力のある演技が印象に残りました。

<本作は、2003年6月に、NHK-BSで澤登翠さんの活弁付きで放送したものを録画したビデオで鑑賞しました。この当時、たびたび澤登さんの活弁付きのサイレント作品が放送されていたのが懐かしい思い出になっています。澤登さんの説明が入ることで作品が一段と輝きを増していたと思います>

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 楽しい
  • ファンタジー
  • 不思議
  • 勇敢
  • 切ない
  • かわいい
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ