歌いませんが、演技で魅せます!
- bakeneko さん
- 2017年4月13日 18時16分
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パラマウント社がメトロポリタン・オペラでカルメンを当たり役にしていた―ジェラルディン・ファラーを起用して製作した映画で、監督は女性をセクシー且つビビッドに描く名手:セシル・B・デミルが担当しました。ヒューゴ・リーゼンフェルドがビゼーの『カルメン』のオペラ音楽を編曲して伴奏譜を作り、ボストンのシンフォニー・ホールで生演奏の伴奏付き上映された作品であります。
サイレント映画化されたオペラとしては、「椿姫(1921)」と「カルメン(1915)」が有名で、当時の上映館ではオーケストラの伴奏付きで名優の演技を堪能したそうです。
物語はオペラを忠実に映像化していて、一応海から密輸品を引き上げるシーンでは本物の海辺が使われていますが、他のシーンは殆どが城壁や屋内ですので、映画的な空間の広がりは感じられません。その一方で、登場人物の表情と動作をクロースアップで生き生きと捉えて、オペラ観劇では観ることができないリアリズム演出がドラマチックな物語を盛り上げています。
ジェラルディン・ファラーは艶やかな美人且つ姐御肌な雰囲気を持っていますので、カルメンはぴったりで、初心なドン・ホセを翻弄する天然悪女を魅せてくれます。
現在発売されているソフトには、オリジナルの映像に、ジリアン・アンダーソン指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏をつけたものや、特典としてジェラルディン・ファラーの歌声が入っているものや多彩な色彩版がありますのでどのバージョンを観るかじっくり選びましょう!
ねたばれ?
1、 本作に対抗して同じ1915年にフォックス社がセダ・バラをヒロインにしてラオール・ウォルシュが監督した「カルメン」もあります。そして、この2大映画会社の「カルメン」合戦にパロディで参入したのが、チャップリンの「珍カルメン」で、エドナ・パーヴァイアンスがカルメンを演じています。また、1918年にはエルンスト・ルビッチもポーラ・ネグリを主演にして「カルメン」を撮っています。
2、ジェラルディン・ファラーは、マサチューセッツ生まれですが幼少期に両親と共に渡仏し、フランスのパリからベルリンへと転々としています。1901年ベルリンのロイヤルオペラハウスでの「ファウスト」マルガリータ役で、歌の才能を認められてNYに凱旋帰国し、 1908-22に渡ってメトロポリタンオペラのプリマドンナとして活躍しました。また、映画にも積極的で1915-20の間に「ジャン・ダーク」など15本の映画に出演しています。
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