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港の女 (1928)

SADIE THOMPSON

監督
ラオール・ウォルシュ
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3.80 / 評価:5件

最終シーンの破損は偶然なのかなあ?

  • bakeneko さん
  • 2017年8月21日 12時51分
  • 閲覧数 113
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

サマセット・モームの「雨」の最初の映画化サイレント版で、1922年にニューヨークで初演されたジョン・コルトンとクレメンス・ランドルフ作の戯曲を元にして、グロリア・スワンソンが主演を、対する宗教家にはライオネル・バリモアが扮しています。サイレントの完成期の作品ですので、出来るだけ台詞を排して登場人物の細やかな表情で物語を紡いでゆく技術は見事なもので、雨音やレコードの音楽なども視覚的に表現されています。
当時自分自身のプロダクションを立ち上げたばかりのグロリア・スワンソンの入魂の演技は圧巻ですし、キリスト教信者の闇の部分をいやらしく演じるライオネル・バリモアも見事であります。また、本映画の監督であるラウル・ウオルシュ自身もヒロインと恋仲になるオハラ中尉を演じていて、本作の数年後に事故で隻眼となる監督のアイパッチ無しの素顔を見ることもできます。

本作の4年後に創られるトーキー版「雨」でのジョーン・クロフォード版の基本となった作品で、見比べるとカットバックやヒロインの衣装や演技コンセプトなどが引き継がれていることがわかります。しかしながら本作では原作の宣教師が宗教家に変えられているなど、かなり当時のモラルコードに沿った創りとなっていて、ヒロインのサンフランシスコでの前歴も暈されています。
本作は長らくフィルムが存在しないとされていた映画であり、名女優メアリー・ピックフォードの私的コレクションの中から再発見されるという劇的な復活を遂げた作品でもあります。その際最終リールに当たる10分間が欠落していたので、現在のレストア版でもスチール写真や静止画で補完しています(どうしても欠落部分のカット割りなどが気になった方は、1932年版を観て参考にしましょう)。ただ、欠落部分が宗教家が煩悩に敗北する不道徳なシーンであることも確かなので、“意図的に破損されたのでは?”という疑念も提起させる修復版ともなっています。

現在でも演劇の定番として世界中で上演されている作品の最初の映画化版で、28歳のスワンソンの油の乗った演技と蓮っ葉なヒロインを演じても滲み出る品格を眺めましょう!

ねたばれ?
1作目:サイレント版から2作目:トーキー版と進化してきた「雨」は1953年にテクニカラー3D版として3回目の映画化がされています。邦題は「雨に濡れた欲情」でヒロインをリタ・ヘイワース、敵対する社会改革主義者(また職業が変えられていますな)をホセ・フェラーが演じています。

詳細評価

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