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天使の花園 (1936)

THREE SMART GIRIS

監督
ヘンリー・コスター
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4.00 / 評価:1件

会社の期待を背負った若きダービン

  • rup***** さん
  • 2014年12月21日 23時04分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

ディアナ・ダービンの記念すべき長編デビュー作品です。
映画冒頭のタイトルロールでスタッフやキャストが下から上へと順々に紹介されていき、その一番最後に"Universal's New Discovery Deanna Durbin"の文字がスポットを浴びると、湖のヨットの上で”My Heart Is Singing"を歌うダービンの姿が映し出され、その美しいソプラノの歌声に惹き込まれていくというたいへん印象的なオープニングとなっていて、当時経営難のユニヴァーサルがいかに彼女の売り出しに社運を賭けるほどの熱意を込めていたかということが分かります。

ダービンは、スイスで母(ネラ・ウォーカー)と暮らす三人姉妹の三女ペネロピー(ペニー)を演じ、長女ジョーンをナン・グレイ、次女ケイをバーバラ・リードがそれぞれ演じています。

10年前に離婚した銀行家の父(チャールズ・ウィニンジャー)の婚約の噂を新聞記事で読み悲しむ母の姿を見た3人は、家政婦と共に父の暮らすニューヨークへと向かい、何とかその結婚を阻止しようと考えるのですが、父の交際相手ドナ(ビニー・バーンズ)とその母親(アリス・ブラディ)は、玉の輿を狙う一筋縄ではいかない相手で、たちまち水面下での攻防戦が始まることになります。コスター監督はこの辺りの女性同士の表面には出さないやり取りをうまく見せています。

3人はドナに他のもっと金持ちの男性をあてがって追い払おうと画策しますが、ここで登場する酒飲みで貧乏なハンガリー人の伯爵(ミシャ・オウア)がいい味を出していて、ハンガリー風の難しい発音の名前を全然覚えてもらえないという滑稽なやり取りがあります(確か「砂塵」にオウアが出演した際にも、同じようなシチュエーションがありました)。

ドナを誘惑する役目を引き受けた伯爵が友人の誘いに乗ってその仕事を放棄してしまい、目印に持っていた雑誌を拾ったマイケル・スチュアート卿というお金持ちの青年貴族が伯爵と間違われてこの企てに参加することになったことから、事態がややこしくなってきます。この青年貴族を若き日のレイ・ミランドが演じているのですが、次女ケイに惹かれた彼がケイに近づくためにこの勘違いの状況をちゃっかり利用してしまうのが面白く、ミランドの目端が利いて上手に立ち回るような持ち味がうまく活かされています。マイケルとケイが公園をそぞろ歩いているシーンでは、粋な計らいをしてくれる強面のおまわりさんのような人物描写もあって、ほのぼのとさせられます。

中盤はペニーの出番が少ないのですが、ベッドで”Someone To Care For Me”を歌い、父の心を掴んでしまうシーンはとても印象的です。

マイケルを引きこんだ手違いもあり、3人の努力も空しく遂には父親の結婚前夜となってしまい、思い詰めて家出してしまうペニー。補導された警察署で自分はオペラ歌手だと言い張って警官たちの前で"Il Bacio"(ジュディ・ガーランドと共演した短編「アメリカーナの少女」でも歌った曲)を披露し、歌声に聴き惚れた警官たちも味方に付けてしまうというのが流石です。

邦題は「天使の花園」ですが、ダービンの歌声以外は、3姉妹が天使とはいえないような振る舞いをするので、このタイトルに違和感があるかもしれませんが、原題は「3人の賢い少女たち」ですから看板に偽りがあるわけではありません。

この作品から始まり10本のダービン作品を手がけたプロデューサーのジョー・パスターナック。本作ではまだ製作補佐の立場ですが、ホームコメディーを基調にした心温まる作品づくりはまぎれもなくパスターナックのタッチで、ヘンリー・コスター監督は、その雰囲気を最も理想的な形でスクリーンに描き出すことができた名パートナーであったといえるでしょう。

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