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セブン

セブン

SEVEN/SE7EN

126

HIRO

4.0

空気感が見事なサイコサスペンス屈指の名作!

「羊たちの沈黙」を始めとし、未知の怪物ではなく人間の恐ろしい心の闇にスポットを当てた傑作が多い90年代作品群ですが、今作は文句無しにそこに名を連ねるクオリティと言っても良いでしょう。 犯行現場に見え隠れする歪んだ宗教的メッセージ、 到底マトモな神経の持ち主が行ったとは思えない、残忍極まる手口で犠牲になった被害者達… アメリカのとある都市を震撼させた連続猟奇殺人事件と、それを追う二人の刑事を描いた今作ですが、 何より推したいのがその空気感。 そもそも重く陰鬱なストーリーですが、 それを最大限効果的に見せる為、 この作品は徹底して映像のトーンが暗く、晴れの日ですら空は灰色に感じる程、昼間の室内ですら明かりよりも奥の闇の方が際立って映されています。 これが観る側の心理に与える効果は非常に大きく、自然とそのダークな世界にこちらの関心を引き込まれますね。 唯一の例外でありまたオアシスでもあるのがブラピ演じる刑事が妻 (アイアンマンシリーズでペッパーを演じた、グウィネス・パルトロウ演!)と暮らすアパートの一室ですが、 この幸せな愛の巣の描写すら、後の展開に於いて非常に大きな意味を持ってきます。 そして特筆すべきは陰惨な犯行現場の描写。 画面から悪臭すらも漂ってきそうな程作り込まれた映像表現、考えた人間の心理状態が心配になる狂った発想は、 嫌悪感と共に先の展開をこちらに求めさせるクオリティです! よく話題になるのが衝撃のエンディングですが、素晴らしいのはそれだけでなく、寧ろそこに持っていくまで丁寧に持っていかれた過程の描写だと思います。 敢えて難点を挙げるとするのであれば、 このジャンルとして出来が良すぎる為、 苦手な方が慣らす目的での入門編にはなり得ない点。 そういった類いが駄目な方は本当に見ない方が良いでしょう。 名作は時代に関係無く一定以上の評価を得る物だとは思いますが、 こちらは30年近くが経過した今も古臭さを感じさせない名タイトルです! 少し心臓を冷やしたい夜になど、是非如何でしょうか?

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