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推手 (1991)

推手/PUSHING HANDS

監督
アン・リー
  • みたいムービー 22
  • みたログ 127

3.94 / 評価:48件

安李がとまらない。

  • pin******** さん
  • 2018年7月22日 14時22分
  • 閲覧数 501
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

父親三部作の第1話。
今回「恋人たちの食卓」「ウェディングバンケット」と逆から観だしたので、やはり本作を観ないわけにはいかない。

上記の2作はコメディ要素が強い(メイダーの音楽もコミカル。絵もカラフル。)。
比べて、本作は家庭内の対立を意識して、寒色(ブルー)と暖色(オレンジ)のコントラストが目立つ。
話が進むにつれて、朱さんの複雑な過去がわかってくる。
本人は文化大革命の時に紅衛兵に襲われたというから、高学歴で上流階級にいたのだろう。その時守れなかった妻への悔恨。その後台湾へ渡るも、終盤にレストランの雇い主から中国共産主義のことをからかわれると激怒するくらい思い入れがある。なので、白色テロ時代は不遇であったと想像される。
ただし、彼は誇り高さをもつ。太極拳の達人で、部屋の中でもカンフー着。書にも秀でて、息子と囲碁も嗜む(くわえたばこで麻雀をするシーンはない)。

話は逸れるが、アン・リーが台湾南部の外省人の家庭に生れたというのも興味深い。個人的な台湾旅行の経験から、相対比較ではあるが、台北はドライ、台南や高雄はウェットという感じがする(善し悪しではなく単なる違いです)。
本作で、父親を大事にする文化で育ったことを妻にわかってもらおうとする息子や、「ウェディングバンケット」での初夜襲撃のシーンなどは、アン・リーが台湾南部でどう育ったかあれこれ想像させる。
この3部作の父親像は、監督自身のそれにかなり近いのではないだろうか。

ラストはアメリカ映画的で良い。
警察10人も怪我させてしまうと、日本では近所やマスコミから叩かれてしまうのに、アメリカでは「70歳で警察官をやっつける。ならば、その人から習えば、自分も強くなれるだろう。」とプラスに評価され、沢山の生徒が押しかける。
(「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で主人公がFBIを手玉にとる詐欺ができたが故に釈放され、その筋のアドバイザーとして成功するのと似ている)

娘等に仕組まれて、追い出すために朱さんとひっつけられることをあれほど嘆いていた陳夫人も、経済的に自立した朱さんには関心を示す。
「儲かってる?」とストレートに聞けるのは中国人らしい(あ、大阪人もするか、ただし「いくら儲かりましたか」とまでは生々しすぎて聞けないが。)。
自立した高齢者同士が、自身の意思でお互いの部屋を訪ねようとするラストはほほえましい。
しばらくは、アン・リー作品めぐりは止まりそうにない。


どうでも良いことだが、第1話と第3話では朱さんなのに、何で第2話は高さんなのだろうか。

詳細評価

物語
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