上海ルージュ

SHANGHAI TRIAD

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上海ルージュ
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(7件)

悲しい16.7%ゴージャス16.7%切ない12.5%かっこいい8.3%恐怖8.3%

  • dkf********

    4.0

    芸術性と通俗性のバランスが絶妙な娯楽作品

    チャン・イーモウ作の中で自分が偏愛してやまない一本。 一般的には高い評価を得ていないし、イーモウ自身も失敗作だと公言しているそうだが、いやいや、これは芸術性と通俗性のバランスが絶妙な万人受けする商業映画だと思う。お堅いイメージの文芸映画ではなく、ギャングをテーマにしたアクション映画とさえ言っていい。とはいえ、派手なアクションシーンやドンパチシーンはなく、全体的には静かなトーンで満たされた落ち着いた作品だ。 監督の意図かどうかは知らないが、物語がいろいろな「対比」で成り立っていると気づいた。前半の上海の毒々しい原色と後半の孤島のモノトーン、同じく上海の「動」と孤島の「静」、光と影、生と死。特にコン・リー演じる我がまま放題の歌姫が、孤島に移ってから心をほぐしていく(これも心境面での対比だ)後半の展開が切ない。香港製やハリウッド製のギャング映画にはない繊細な人間描写はさすがチャン・イーモウといったところ。 当時私生活でも愛人関係にあったイーモウとコン・リーは本作撮影後に破局したと伝えられ、ふたりの愛憎に関する影響が製作上も多少なりともあって、そういうプライベートな部分を含めて監督が失敗作と思っているのかもしれないが、映画としては十分成功作だと思う。 これから観る人は、事前知識から得た偏見なく、フラットな心持ちで本作と向き合ってほしい。鑑賞後、面白かったと思えることを願う。

  • 一人旅

    3.0

    上海ルージュ

    チャン・イーモウ監督作。 1930年の上海を舞台に、マフィアの愛人の召使となった少年シュイションの目撃と体験を描いたドラマ。 『紅いコーリャン』や『紅夢』に代表される、イーモウ監督独特の幻想的な色彩映像が本作でも見られる。30年代上海の猥雑でエキゾチックな街の雰囲気に、幻想的な赤や青の映像がマッチしている。ただ、後半から物語の舞台が上海から小島に移ってしまうため、急に地味でこじんまりとした印象を受けてしまう。 悲劇の愛人を演じたコン・リーが好演。コン・リーと言えば、目まぐるしく変化する社会の底辺で必死に生きる貞淑な女性を演じることが多いが、本作では傲慢で贅沢な暮らしを送るマフィアの愛人に扮している。

  • kak********

    5.0

    ギャング・ムービーながら情感溢れるドラマ

    「HERO」で世界的に有名になったチャン・イーモウ監督作品。 映画以外でも北京オリンピックの開会式では世界を感動の渦に巻き 込んだ美の世界を披露した事は記憶に新しい。 主演は、最近は「マイアミ・バイス」や「ハンニバル・ライジング」 などハリウッド映画にも顔を出しているコン・リー。 ギャング映画も、チャン・イーモウ監督の手にかかればチャン・ ツィイー主演の「初恋のきた道」を思わせる芸術的な仕上がりになる。 ありきたりなマフィアの抗争の中に生きる歌姫を、世話係となった少年 の目を通して見つめる演出が斬新である。田舎から出てきたばかりの 純粋な心と目には見たままの光景がストレートに伝わり、都会の生活に 嫌気がさす。 共演は、チャン・イーモウ監督作品の「キープ・クール」や「菊豆」に 出演のベテラン、リー・ハオティエン。非常なボス役を好演している。 物語が進むにつれて少年の目には別の世界が見えてきて、表面通りに 受け取っていた自分の幼さに気付いていく。 美しい背景は、まるでラブ・ストーリーを観ているような気分になるが 一般的な銃撃戦や血生臭いシーンは最小限にとどめ、あくまで少年の目 を通して大人の社会が映し出されていく。 しかし、コン・リーは一流の役者であると思うのは、ある時は美しく、 ある時は醜く、そしてある時は優しく変幻自在の姿を見せてくれる事だ。 チャン・イーモウ監督とコン・リーのファンなら見逃してはいけない 異色のギャング映画である。

  • cad********

    4.0

    コンリーがとてもいい

    少年の目を通して大人の非情なギャング社会を描くことで、その世界をさらに残酷にしかし美しく描いています。コンリーはチャンイーモウが最初から彼女を想定して脚本を書いたとだけあってはまり役で、傲慢だけど美しい金宝を見事に演じてます。単純な憎愛劇では終わらない深みのある映画です。でもストーリーも含めて全体的に暗い印象が強ので単純に好きな映画とは言えないです。

  • xi_********

    3.0

    計算に成り立つ叙情性

    80~90年代半ばにかけての中国映画界の黄金コンビとも言えた、張芸謀(チャン・イーモウ)と鞏俐(コン・リー)による叙情性溢れる黒社会映画。両者のコンビはこの作品をもって一旦解消、再会は11年後(06年の『王妃の紋章』)までお預けとなった(原因はふたりの不倫関係に終止符が打たれたことと無関係でもないとか)。 この時期(90年代初期)の張芸謀は、社会派リアリズム的作風を打ち出していたことはファンなら先刻ご承知のことでしょう。個人的には彼の映画の中では唯一のお気に入りと言える『秋菊の物語』や、中共の怒りを買った『活きる』等、89年の「六四事件(天安門事件)」以降、根城としていた西安電影製作所(呉天明/ウー・ティエンミンが所長を務めた映画撮影所。多くの「第五世代」を育てた)の後ろ盾を失った「第五世代」の面々は、厳格化された検閲システムの中、その作風の転換を迫られていたわけですが、それは張芸謀とて例外ではなかった様です(同様に陳凱歌(チェン・カイコー)も『さらば、わが愛/覇王別姫』以降、それまでの叙情的作風から転換を図っています)。 『活きる』での中共との対立に辟易したのか、これ以降、張芸謀は新たな作風を模索し始めた様に感じます。その最初の作品が『上海ルージュ』であり、デビュー当時(『紅いコーリャン』、『菊豆』等)の叙情性を残しながらも、それ以上に娯楽作品としての様相を求めた様子が垣間見える作品です。 本作は、ひとりの少年の眼を通して語られる、黒社会のボス(李保田)の情婦である歌姫(鞏俐)の物語。彼女の世話役に任ぜられた少年は、7日間の間に起こる様々な出来事を通じ、人間の哀しき性と世の悲劇を悟ります。 ともすれば有り勝ちな物語にこれほどの叙情性を与えたのは、少年の目線を盛り込んだ張芸謀の演出にあることは間違いないでしょう。物語自体はさして真新しさもなく、畢飛宇(ビー・フェイウー)の脚本は平板に過ぎないとも言えますが、この映画が数多ある黒社会映画と一線を画すのは、この「少年目線」と言うフィルターを設けたことが大きい。これにより、本来ドス黒く、濁り切った黒社会(人間)の有様を、叙情的ファンタジーとして語ることに成功しています。但し、それを好むかどうかは別の問題で、私はこの計算が先に立つ張芸謀の演出がどうにも好きになれない(ファンの方、申し訳ない)。 又、本作は張芸謀自身が「失敗作」と認める様に、決して諸手を挙げて賞賛するものでもないでしょう。物語の起伏を欠く上に、人間の性が一気に表出する終盤の盛り上がりも李保田(リー・バオティエン)の演技に負うところが大きい。張芸謀が叙情性を前面に押し出したと思われる後半の演出は、本作と共に「紅の三部作」に名を連ねる『紅いコーリャン』の神話性、或いは『菊豆』の悲劇性に迫るものではありません。 決して「失敗作」と評す映画ではありませんが、さりとて「傑作」とも呼べぬ作品。 ただこれは、本作が見所に欠けると言うことではありません。 後半、主人公の歌姫・金宝(鞏俐)が少年・少女と共に湖畔に立つ場面。あの場面に漂う叙情的美しさと三人の歌声は、終始暗鬱たるこの映画にあって、ほとんど唯一と言える無垢なる場面。映画の好き嫌いは別にして、個人的には、このシーンだけでも観て良かったと思うに充分なものがありました(10年以上経った現在もハッキリと憶えています)。 主演の鞏俐と李保田の演技もそのひとつ。今更私がどうこう言うものでもないでしょうが、このふたりはやはり素晴らしい。ただ、本作に関しては、私は鞏俐よりも李保田に圧倒されました。鞏俐の巧さは相変わらずですが、李保田の存在感は、特に物語が佳境を迎える終盤(ふたりが正対する瞬間)において完全に鞏俐のそれを上回っていたと感じられるもの。このふたりの演技も観る価値はあると言えるでしょう。 とは言え、かなり穿った捉え方なのは承知していますが、溢れる叙情性すらも妙に計算された感がどうにも拭えないも事実(苦笑)それが悪いわけではないし、確かに平板な脚本を見事に装飾してしてしまう演出はお見事です。それでも、結局のところ、この人の(計算づくの)演出を好むか好まないか。 張芸謀の映画は、総じてそこが分かれ目とも言えます。 私の様にそこを嫌う人にはあまり推薦出来ない作品。 但し、前述の湖畔のワン・シーン。 あの場面までを否定する気にはなれません。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

カンヌ国際映画祭第48回

フランス映画高等技術委員会賞

NY批評家協会賞第61回

撮影賞

LA批評家協会賞第21回

撮影賞

基本情報


タイトル
上海ルージュ

原題
SHANGHAI TRIAD

上映時間

製作国
中国/フランス

製作年度

公開日
-

ジャンル