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イル・ポスティーノ (1994)

IL POSTINO/LE FACTEUR/THE POSTMAN

監督
マイケル・ラドフォード
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4.12 / 評価:470件

無学な青年が放った哲学的な問い

  • per***** さん
  • 2020年10月16日 4時43分
  • 閲覧数 109
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ナポリ湾の小島を舞台に、後にノーベル文学賞をもらう著名な詩人と内気な郵便配達員の友情を描いた作品。打ち寄せる波の音や陽光、石造りの家、丘の一本道など島の風景が観ていて心地よく、観光気分で楽しめる作品ですね。

郵便配達員マリオ役のマッシモ・トロイージの怪演と言っていいのか、あたかも素のままのような自然な演技がとても印象的でした。まるで島の青年をそのまま連れてきたかのようです。

マリオは詩人パブロの邸宅に郵便を届けるうち次第に仲良くなり、詩作に興味を持つようになります。パブロが詩は隠喩が大事だと教えると、マリオはそれを理解しようと一生懸命勉強を始めます。そしてある時浜辺でパブロにこんな質問をします。

 「この世界の海や空や雨や雲やその他などなど。
  つまり世界全体が何かの隠喩になっているんですか?」

この問いに対してパブロは「君の質問をよく考えてみる。明日君に返事をしよう」と答えますが、ついにその場面は出てきません。恐らくパブロはマリオの聡明さに驚嘆したのではないでしょうか。彼の放った質問は現代思想でいう記号論にも通ずる優れて哲学的な命題です。

妻になるベアトリーチェやパブロがマリオに惹かれたのは、その純朴な性格と同時に聡明さがあったからでしょう。残念ながらマリオはそんな自分の才能を活かすことなく、パブロと同じ共産主義活動で命を落としてしまいます。
そう思ってラストの浜辺を行くパブロの姿を見ると、ひときわ感慨深いものがありました。

音楽がことのほか良かったので星プラス1です。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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  • 知的
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