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孤独な場所で (1950)

IN A LONELY PLACE

監督
ニコラス・レイ
  • みたいムービー 13
  • みたログ 78

3.56 / 評価:25件

男と女は別れゆく宿命を抱えている

  • 真木森 さん
  • 2007年7月29日 13時57分
  • 閲覧数 361
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

 スミザリーンズ&スザンヌ・ベガに同タイトルの名曲があって、ブロードキャスターのP.バラカンが紹介してくれたのが本作を知った端緒です。まだ見ぬ名作としてずっと心に留まっていたのですが、10年前に突然WOWOWで放映。その「ため」のある素晴らしい画面。さりげなくも深遠な含みを持つ一瞬のシークェンスの数々(例えば二人の睦まじい姿を見せながら“I Hadn`t Enyone Till You”が奏でられるシーンはなぜか分からないけれども「ぞわっとするような」凄みに満ちています)。あれから山ほど映画を見てきましたが、間違いなく生涯5本の指に入る傑作です。
 ローレルの女友達が彼女にマッサージを施しながら「この恋をやめるように」と忠告する印象深いシーンがありますが、『セルロイド・クローゼット』でも指摘された如く、二人は同性愛の関係にある様な含みがあります。今はアル中で常軌を逸してしまった元シェイクスピア劇の名優(J.バリモアを意識?)、「原作通りか?」と念を押しに来る飄々としたマネージャー… 1950年は『イヴの全て』や『サンセット大通』の様にハリウッドがハリウッド自身を揶揄した辛辣な内幕物的傑作が輩出した年でもありますが、本編サブエピソードの不思議な説得力はきっとN.レイ達が生身で見据えてきた映画界の群像故なのでは。
 そして我が身潰えるまでに献身する女。芸術家肌で自らの仕事に妥協なきこだわりを持ちながら認められず、他者に尖りきった態度を取る男。孤独な魂を寄り添い合わせ、本当に睦まじく暮らした二人。しかし二人はどうしようもなく破局に突き進み、そして再び“In A Lonely Place”=孤独な魂の中へ戻っていくその哀切。男と女がお互いに否応なく持たざるを得ない悲しき業…。その切なくもハードボイルドな恋愛の姿に総毛立つような感銘を覚えます。それは私にとってまさしく「恋愛の神髄」を描いたものに他なりませんでした。震えが止まらなくなるような傑作です。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

イメージワード

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  • 知的
  • 絶望的
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