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SOS北極.../赤いテント (1970)

LA TENDA ROSSA/KRASNAYA PALATKA/THE RED TENT

監督
ミハイル・カラトーゾフ
  • みたいムービー 11
  • みたログ 34

3.29 / 評価:21件

北極サバイバル(?)大作

  • 一人旅 さん
  • 2016年3月3日 19時16分
  • 閲覧数 544
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

ミハイル・カラトーゾフ監督作。

1928年の北極で実際に発生した飛行船イタリア号の遭難事故と国際的な救出活動の模様を描いたドラマ。
『生きてこそ』のような壮絶なサバイバル劇を期待していたが、緊迫感や死の恐怖を感じさせる描写は思いの外少なかった。氷上に赤いテントを張って救助を待ち続ける遭難者たちの姿と、各国から派遣される救助隊の捜索模様が交互に映し出される。また、時系列も遭難した現在と40年後の天国の世界の二つの時系列で物語は進んでいく。そのため、極寒のサバイバル劇が一旦ぶつ切りにされて、時代も場所も全く異なる場面に移動してしまうので、リアルタイムの遭難の恐怖が持続的に伝わってこない。
それでも、無限に広がる氷の世界を上空から一望した映像は圧巻で、人間の力の及ばない自然の極地に取り残された人間の無力さは存分に伝わってくる。サバイバル劇の具体的描写は、シロクマがテントに襲い掛かってきたり、テントを乗せた氷塊が突然割れ出したりと限定的。そうした場面ではそれなりの緊迫感や恐怖を感じさせるものの、全体的にはやや緩めのサバイバルという印象。
どちらかと言うと、遭難者のサバイバルよりもイタリア号を指揮したノビレ将軍の苦悩に主眼が置かれている。共に遭難した部下の命を優先するという男らしく正義感に満ちた態度を示しておきながら、母国イタリアでは国民の非難の対象にされてしまうという悲しみ、無念。仲間たちの救出のために精一杯尽くした自己と、そんなことは露知らない国民による裏切者の烙印。ノビレ将軍にとって遭難以上に耐え難いのは、自己と世間の評判の決定的なギャップにある。
実際のノビレ将軍がどのような人物だったのかは知らないが、少なくとも本作で描かれるノビレ将軍は、遭難事故によって地位も名誉も奪われ、最終的には天国の世界で最後の審判が下される悲劇的人物として描かれている(ちなみに、撮影時はノビレ将軍存命)。
キャスト面では、ノビレ将軍の旧友であり探検家でもあるアムンセンを演じたショーン・コネリーが主役級の活躍を見せるのかと思いきや、出番自体がとても少ない。ただ、北欧人風に染め上げた白に近い金髪(眉毛まで金髪!)は新鮮。出演者の中でずば抜けて存在感を放っていたのは、劇中の紅一点、クラウディア・カルディナーレ。ボブカットのような髪型が可憐で、遭難した恋人の生還を待ち続ける看護師・ワレーリアを好演している。

詳細評価

物語
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