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上映中

30年後の同窓会 (2017)

LAST FLAG FLYING

監督
リチャード・リンクレイター
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3.51 / 評価:187件

解説

『さらば冬のかもめ』などの原作で知られるダリル・ポニックサンの小説を基にしたロードムービー。戦地で命を落とした息子を故郷に連れ帰ろうとする男と、同行する友人たちの姿を映す。監督は『6才のボクが、大人になるまで。』などのリチャード・リンクレイター。『フォックスキャッチャー』などのスティーヴ・カレル、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』などのブライアン・クランストン、『マトリックス』シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンが出演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

わけありの過去を捨てて牧師になったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)と酒ばかり飲んでいるバーの店主サル(ブライアン・クランストン)の前に、音信が途絶えて約30年になる旧友のドク(スティーヴ・カレル)が姿を現す。ドクは、突然の再会に驚く彼らに、1年前に妻に先立たれ、2日前に息子が戦死したことを話し、息子の亡きがらを故郷に連れ帰る旅に同行してほしいと頼む。こうして三人は、ノーフォークからポーツマスへと旅立つが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC
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「30年後の同窓会」リンクレイターの成熟と偶然の時代性がベテラン3人衆の旅に深みを加えた

 リチャード・リンクレイター監督の最新作「30年後の同窓会」は、ハル・アシュビー監督、ジャック・ニコルソン主演で1973年に公開された「さらば冬のかもめ」の“精神的な続編”とされる。どういう意味か? 後者の原作小説を書いたダリル・ポニックサンは、主要登場人物3人が共通する続編小説を2005年に発表。リンクレイターはポニックサンと共同で脚本を練り、小説の大筋は残しながらもキャラクターの名前と若干の設定を変え、独立した作品として映画化したのだ。

 「さらば冬のかもめ」を手短に紹介すると、荒くれの海軍士官2人が、微罪を犯した新兵をバージニア州のノーフォーク基地からニューハンプシャー州のポーツマス海軍刑務所に護送する任務に就くが、道中で3人に奇妙な友情が芽生えていくというストーリー。一方「30年後の同窓会」では、元海兵隊員のサルとミューラー、年下の元海軍衛生兵ドクは、30年前ベトナム戦争を共に戦った仲間。ノーフォークでサルが経営する店にドクが現れるところから始まり、現在は神父になっているミューラーと合流し、イラク戦争で戦死したドクの息子の遺体を埋葬するため、3人はドクの家があるポーツマスへと向かう。そう、“精神的な前作”の旅をなぞるかのように――単にルートが重なるだけでなく、飲んで遊んで電車に乗り遅れるエピソードなども反復される――本作の3人も旅を続けていくうち、それぞれの心境に変化が訪れ、友情を取り戻す。そして、逃れようとしてきた過去に向き合うことになるのだ。

 妻と息子を相次いで失い悲嘆に暮れるドク役のスティーブ・カレル、酒浸りでジョーク好きなサル役のブライアン・クランストン、旅に気乗りせず不機嫌なミューラー役のローレンス・フィッシュバーン、3人の演技のバランスが抜群だ。監督は俳優たちと3週間に及ぶリハーサルを行い、彼らのやり取りを見て脚本をブラッシュアップしていったという。コメディを中心に多様な作品を手掛けてきたリンクレイターだが、3人の娘を持つ50代の今、家族への愛、長年の友情、大切な人を失う悲しみといった要素を、抑えた演出と鈍色の映像で描くあたりに成熟ぶりを感じさせる。

 ベトナム戦争と9.11後のイラク戦争を重ね、権力者の嘘と隠蔽、正義と愛国心、戦場で失われる命について問いを投げかける本作には、原作発表から10年以上を経て映画化されたことで、図らずも“トランプの時代”の影が差すことになった。偶然とはいえ時代性を獲得したことで、作品のメッセージが深化し、今見るべき映画としての価値が高まった点も感慨深い。(高森郁哉)

映画.com(外部リンク)

2018年6月7日 更新

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