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エル・スール

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5.0

神がかった映像美の極北

もう冒頭のシーンからして画面に引き付けられる。暗闇から徐々に浮かび上がる被写体。光と影の見事な陰影。まるでレンブラントの絵画を観るかのようだ。「静謐」という言葉を映像にしたような静けさに満ちた画面。「ミツバチのささやき」と比べると、暗くて沈鬱な場面が多いだけに、色彩の繊細さ、密度、深み、コントラストの妙はさらに鮮やかさを増している。画面の構図割も含めて、あたかも「動く絵画」さながらだ。本作はまさにエリセ監督の感性が研ぎ澄まされた映像美の極北といえるだろう。 映像だけなく、少女期の揺れ動く心模様をしっとりと描いたドラマも秀逸で、深い余韻を残す。 自分も含め、好きな人は一生モノとして末永く付き合っていける映画の極上品。 今から初めて観る人は、この映像美を堪能するために高画質のblue-rayでの鑑賞を是非お勧めする。

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