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エル・スール

kps********

5.0

ネタバレ最高画質版は神画でした

うーん、素晴らしい。 もう大体、開始15分で満点が付いていたなあ(笑) 暗闇に佇む登場人物に対して光が差し込む室内の映像、こういうカットが素晴らしく芸術的で、今まで見てきた映画との比較上何百本に一本クラスの絵だなあと思えたんで、その時点で満点が付いちゃってました。 皆さんフェルメールの絵画のように光が印象的だ!!と言われておられますが、エストレリャが大きくなる前半と後半でかなり印象が違っていて、前半はフェルメールのように光の使い方が印象的なんですが、あくまで闇・陰に対して光が介入するという形で、むしろ闇や陰のほうが強く主張するので、父アウグスティンに与えた内戦や過去の影響・傷、そしてそれらが娘の潜在意識に与えるであろう漠たる不安のようなものを深く炙るという意味で、闇や影(陰)の映像が大変印象的でした。 しかし、暗い絵の中に光が介入してくるということで、そんな漠たる不安の中に娘エストレリャの明るい未来(光の道)などを想像したんですが、その通りに大人になったエストレリャは颯爽と明るい並木道を通っていきます。 大人になった後半は全体的に明るく楽し気な世界が広がっているんですが、結末はご存知の通りの父の自殺であります。 暗い絵に光を灯しながら不安を炙り、光の絵の広がりに父の自死という圧倒的な影を落としこむことで、何とも言えない余韻が出来ていたかと思います。 光も影も多彩な色彩も、力強く主張しながらも奇跡的なバランスで静謐さを保っているので、強い余韻が生まれるのだと思います。 父の死で暗い映画の纏まりで締められると嫌な映画なんですが、なんとなく後半の明るい空気感のまま終わるので、未来に光や希望を見られたという意味で、前向きに生きていこうという気になれる作品。 絵だけでなく、ストーリー的にも好みな映画でありました。 そんな感想ですが、自分が見たのイマジカBSでやってた最高画質版とやらなんですよね。 同じような内容の、DVDで見た『ミツバチのささやき』は、個人的にあんまり響いてくるものがなかったので、ひょっとすると普通画質版で見ると評点は下がったりするかも分かりません。 あくまで最高画質版の評価ということになりますが、最高画質版は神画だったという感想です。 良い物が見られました。

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