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エル・スール

スーザン

5.0

心ふるえるこの素晴らしい映像!

どのシーン、どのショットを切り取ってみても一枚の絵画になるヴィクトル・エリセの映像の美しさ。 ため息ものである。 真っ暗な画面のオープニング。 父を探す母と女中の声。 夜が徐々に白み始める。 ベッドから起き出し、“振り子”を手に涙を流す少女。 そこから少女の回想が始まり、父との思い出が溢れてくる。 彼女は父親が大好きだ。 バイクに乗せてもらったり、振り子の扱いを教えてもらったり、初聖体拝領の日には一緒にダンスも楽しむ。 だが、あるきっかけで父の秘密らしき事を知り、母との間もぎくしゃくしている事を感じ取り、そのうち彼女もボーイフレンドができるような歳になる。 そして最後になった父との食事。 南への憧憬。 演出と画面、構図、そして少女の心の揺れ、何処をとっても屈指の美しい映画である。

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