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エル・スール

tam********

4.0

ネタバレ過去に縛られた父親

当たり前に、実家に(故郷)帰れない人の淋しさを感じました。 故郷にも居場所がなく、新しく見つけた地にも、自分の気持ちは過去の故郷にあり、自分の気持ちはここには無い。 今を生きれない事の苦悩。 人は過去に縛られ生きて行く物だとききましたが、この父親が、過去のしがらみを手放し今を生きる方法があったなら。人は、過去の辛い話を安全な場で話をする事で手放す事ができるともきく。 この映画の父親は上の空の父親をしていた。 娘は、そんな上の空の父親に、何故そうなのか謎をかけられた。 小さな子供の時には理解出来なかった、親たちの事情が、大きくなるにつれ、自分の体験などから分かってくるようになる。あっ、あの時の母は、あれが理由で泣いていたのだ。とか。。 父にかけられた謎を解くために、それは、必然的におこるが、父の故郷エル、スールに向かう。 いつでも帰れる、場所があると心に思う事ができるだけで、実際は帰らずとも、生きて行く糧になるような気がする。 この父親は、そばにいる妻も愛せず、 住む場所も、ここで生きて行くという根を下す決意が無いように感じる。帰る場所も無い。居場所がないと感じる人達と同じような感覚なんじゃないか。 そんな中で、娘さえも自分から離れていこうとする姿を見た時、この男は自分には何にも無いと絶望したのではないか。 最後に、娘と話をした時。この父親は、幼い時には、聞かせる話じゃないと抑えていた、妻にも話せない事を、成長した娘には話しても良いと、思えたのかもしれないなと思いました。だけど、それは叶わなかった。まだ、娘は成長したといっても、若かったのかもしれない。 父親が、娘で無くても、誰かに過去の話ができていたら。 少しは父親の運命はちがったのかな?と、私なりに思いました。

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