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ミラーを拭く男 (2003)

THE MAN WHO WIPES MIRRORS

監督
梶田征則
  • みたいムービー 16
  • みたログ 102

3.00 / 評価:17件

喋らずに引っ張れる役者、拳? 健?

  • 百兵映 さん
  • 2015年7月23日 13時39分
  • 閲覧数 482
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 「高倉健より緒方拳」という友人がいる。そういう彼の勧めで『ミラーを拭く男』を観た。なるほど、「同じ物言わない役柄でも、高倉健が黙っている姿は「かっこいい」が緒方拳は実に「かっこよくない」、「しかし、これくらいしゃべらずに引っ張れる役者は緒方拳」と彼がいうのも納得できる。

 健サンか拳サンかの評価はともかく、「喋らずに引っ張れる役者」は本物だ。いや、役者に限らず「喋らずに引っ張れる」人物は大物だ。喋りで引っ張る芸人も、政治家も、はたまた近所の御夫人方も大した人物ではない。喋りの後が空しい。

 「ミラーを拭く」という行為がどの程度価値があるのかは疑問だ。それをテレビの話題にする価値があるのかも疑問だ。それは本人も分かっている。だから本人は喋らない。調子のいい理解者の喋りがテレビ受けして、共感者・協働者が続出して盛り上がるのだが、(初代?)ミラー人は付いて行けなくなる。

 拭きびと拳サンは、元々堅実派だったのだろう。そういう男には退職間際の不意の不祥事の対応が上手に出来なかった。ミラー拭きを思いついて家を離れ(逃げ)た。動機や見通しなどを聞かれても答えられる筈がない。しかし、饒舌よりは寡黙の方が(こういう時には)都合がいい。不思議なもので、理解者が現れる。美談に仕立ててくれる。

 美談が独り歩きする前にサッと身を引くあたり、この男もバカではない。人々の気持ちに何か気になるものを残す(意図的であるかどうかは分からない)。

 ただ、ねぇ……、このテの男には、私は弱い。現職の頃、こういう上司の下では仕事ができなかった。こういう部下職員は遠ざけたかった。喧嘩にもならないのだ。喧嘩するといつのまにか負けてしまうのだった。何を言っても「ハァ」「ウゥ」と言うばかり。根負けする。

 勘違いしてはいけない。「喋らずに引っ張れる」健サンも拳サンも、他の映画ではこれ以上にない強い男、テキパキした男なのだから。だから寡黙に迫力があるのだ。その落差がいいんだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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