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シービスケット

シービスケット

SEABISCUIT

141

ale********

5.0

これぞ、ドラマの中のドラマ★

自動車で大きな財を築いた男が、自分の車によって、最も大切なものを失ってしまう…>< 喪失と無常感に埋もれる中で、自分を優しく見まもる瞳に出会う… どんぞこから立ち直り、一頭の馬を得て、新しい人生に挑戦していく…… 【馬主】   家族に捨てられた少年が、競馬の世界で、孤独にさまよい続ける。やがて、似た者同士の馬に出会い、パートナーとなる。馬の能力を開花させ、華やかなレースの世界に躍り出す……… 【騎手】 馬以外とは、誰とも交わろうとしない、我が道を行くカウボーイが、心に傷を持つオーナーと出会う。 どんな命も粗末にしないという信条が一致する2人。二人三脚で、誰もが見捨てた馬を、名馬へと育て上げていく……… 【調教師】 三者三様の人生が、大きなうねりになって、合流する、その過程の描かれ方が、絶妙♪ 別の世界から流れ着き、出会うべくして、出会ったような、これが縁というものなのだろう!! 物語の背景には、近代アメリカ経済の破たんと再生があり、まるで、上手い小説家が描いたような筋書き…こういうドラマチックなお話が、意外と、実話たっだりする…そうか、やはり、実話なのだ! しかし、シービスケットという名の、小さな奇跡の馬は、三者を孤独な人生から、栄光に導いただけではとどまらない。 『奇跡』と呼ばれるだけの物語があり、その逸話を知らなかった私には驚愕だった。 絶望の縁から這い上がった者達がおりなすドラマに、とめどなく熱い涙があふれた。   どこまで、物語として脚色されたものなのかは、わからない。が、短い期間とはいえ、かつて、馬と関わったことがあり、馬の死にも関わってしまった。というより、死を引き起こしてしまった…というほうが近い立場の私には、感動の涙の中に、いい知れない、苦い味も感じたりする。 馬を生かせなかった、なすすべもなく、その死を呆然と見ているしかなかった自分を思い出し、息苦しくなる。二十年以上たった今、あらためて、許しを請いたい…  『競馬』というギャンブルの一面にある、ダークなイメージは全くない。 反対に、暗い時代を、耐えて生き抜くアメリカの民衆を、激しく鼓舞したであろうシービスケット。 騎手と馬主と調教師の夢を乗せて、怒濤の歓声の中を駆ける姿に、昔読んだ、宮本輝の『優駿』の、レースシーンをチョッピリ思い出したりした。   シリアスなお話の中、笑いを取っていたのは、ウィリアム・H・メイシーくん♪  この人は、出てくるだけで笑えるし、作品の内容と関係なく嬉しくなる、不思議な人物ね☆ 疾走する馬上で、騎手同士が喋っているシーンは、驚きだった! そんな、余裕あるのか??

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