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天使の肌

天使の肌

PEAU D'ANGE/ONCE UPON AN ANGEL

85

kak********

5.0

天使を演じたのは新人女優モルガーヌ・モレ

邦題の「天使の肌」から官能的なヨーロッパの映画を想像された方は ”ハズレ”である。全く正反対の”天使”の物語だからだ。 貧しい家庭に生まれた少女の遊び相手は鳥や虫達など自然界に住む 仲間。冒頭の幼少時代の一コマから”天使”は登場する。 主役の少女アンジェルを演じるのは、本作品で映画デビューの モルガーヌ・モレ。神様が存在するなら、この世に不幸な事がある筈が ないと信じて、ミサにはいかない。 相手役には、名優ジェラール・ドパルデューを父に持ち、「ポーラX」 でカトリーヌ・ドヌーヴと共演のギョーム・ドパルデュー。繊細で 傷つきやすい面と大胆で勇気ある面の両極端な性格を持ち、女性の心を 掴む青年を好演。 そして、監督は「花咲ける騎士道」でベネロペ・クルスと共演し、 本作品で監督デビューのヴァンサン・ペレーズ。 まるで、人間の姿をした本物の”天使”を探してきたようなモルガーヌ・ モレを発掘しただけでも快挙と言える。 こうした映画を観る事によって、自らの人生における”汚染度”が 自動的に計測できてしまう恐さがあるが、反面”俗世界”に塗れた 汚れた心を洗い流す要素も含まれていて、恐れず観て欲しい映画の 一つである。 何よりも驚かされるのは、過酷な人生を歩みながらも”恨み事” 一つも言わず、信じた道を歩む逞しさだ。運命全てを背負ってしまう 広い心と、身も心も捧げる純粋な愛の持ち主は”天使”そのもの。 新人監督と新人女優の作品とは思えない魅力満載な映画で、この作品 が世に生まれた事自体が”神の業”と言えるかもしれない。

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