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花

106

nya********

5.0

最高のロードムービー

1年ぶりに観ましたがやはり最高のロードムービー。 「死」と「再生」いう少々重いテーマを抱えた物語でありながら、何度観ても面白く、笑って泣いて感動させられるのはなぜでしょうか? 東京から指宿までの国道しか使わない男2人の車旅。 移り変っていく景色の中、様々な記憶が断片的によみがえり、野崎と鳥越の2人の間に親子のような同士のような、奇妙な連帯感や友情が芽生えてくる様が画面を通しても伝わってきます。 何といっても、大沢たかおと柄本明の2人の掛け合いが素晴らしく、淡々としながらも、日常からの開放感と「死」を身近に抱える不安とが、静かな画面と絶妙な間で見事に表現されていると思います。 そしてクライマックス。 指宿のホスピスで、奥さんの残したスクラップブックを必死でめくる鳥越… 忘れな草のガーデンは奥さんが1日足りとも鳥越のことを忘れていなかった証拠でしょう。 『私のことを忘れないで』という忘れな草の花言葉が胸に刺さります。 「私だってそうだったんだ」と絶叫する鳥越の言葉をどう汲み取れば良いのでしょうか。 それが後悔の叫びだったとしても、忘れな草のガーデンは、思い出を心の奥底に沈めてしまうほどにカチカチになっていた鳥越の心も、やさしく溶かしていってくれたハズです。 脇役の面々も良い味出していました。

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