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アドルフの画集

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3.0

小ヒトラーを生み出さないために

今までのヒトラー観が揺るがされた作品。 ヒトラー=世紀の大狂人と認識していたが、この作品からは、孤独な男が他人から認められたいという、社会的欲求を狂おしく求めた過程が伺える。 当時のドイツの宗教観、ユダヤ人観を知るには格好な教材だ。 ユダヤ人差別はヒトラーから始まった訳では無い。既に中世からユダヤ人は黄色のマークを付けるよう、義務付けられていた。ユダヤ人は一神教を信じ、商才に長けていたために、他の民族から妬まれていた。隣人愛を説くキリスト教さえ、ユダヤ人であるというだけで、魔女(男)として処刑を許していた。 そんな歴史が積み重なり、アーリア人の純血を守るにはユダヤ人の絶滅が必要不可欠なものとして、敗戦に疲弊したドイツ人の心を捉えた。 今もネオナチが存在している訳は、それで説明できるのではないか? ヒトラーは時代に呼ばれ、怪物へ変容していった。 独裁者を許してはいけない。

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