アドルフの画集
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(16件)


  • kih********

    3.0

    もし絵描きになってい タラ ? 関係ない!

     妙にリアリティーがあるのだ。だが、これはフィクションだった。もし彼が絵画の道に邁進してい タラ とか、画商とすれ違わなけ レバ とか、歴史に「もし」を言っても仕方ないのに、敢えて タラ・レバ のストーリーを展開させている。  遠い東洋の島国にあって、ヨーロッパの人種問題のことは分かり難い。私のような絵画・美術に疎い者には、芸術的狂気と政治思想的狂気のことも分かり難い。だから、なのかもしれない。あり得ない「もし」の タラ・レバ 話にリアリティーを感じてしまう。  『チャップリンの独裁者』を思い起こす。その強過ぎる衝撃でレビューも書けなかったが、今思えば、チャップリンの タラ・レバ は過去のそれではなくて、直近の タラ・レバ だったのだ。喜劇の中で急きょマジの自分を出してヒットラーの演説をバーチャル演技して見せる。リアリティーが無いはずがない。  『……画集』の タラ・レバ は、ちょっと見には同情さえ生じかねないが、いけないいけない。彼の狂気による犠牲を考えれば、どんな タラ・レバ を想定しても赦されるものではない。  絵画美術に没頭したかった? それが何だ。美術に没頭出来てい タラ? それが何だ。

  • ind********

    2.0

    制作姿勢に疑問

    主人公は架空の人物「MAX」。これが原題。そして極めて大きな歴史的転換点に関わっている・・・・がこの物語は全て架空の物語。 ひとりの画家志望の青年が、現実に存在した20世紀の怪物に生まれ変わる、大きなターニングポイントのカギを架空の人物の架空の物語に任せている点、歴史認識から逃げをうっている制作姿勢が見える。 歴史の真実を推理し想像し創作したのではなく、架空の物語にしてしまうことは、多くの犠牲を払った大戦を直視する西欧の映画人の姿勢としては賛同できない。疑問がある。 なにもドキュメントにする必要はないが、せめて「MAX」は実在の人物であるべきだと思う。 不遇にも画家への道を断念せざるを得なかった、そのうえ陸軍組織維持勢力に利用されたような人として、やや同情の余地があるヒトラーを描くことに、西欧の批判が免れない事情もあったのだろうか。 かなり興ざめな鑑賞感が残った。 しかし、富裕なユダヤ人に対する戦争敗戦国民としての多くのドイツ人の不満を、縮小を拒む陸軍軍部が利用したというのは、事実だろうか。この視点は興味深かったが、なにせ架空の物語なので。 富裕なユダヤ人と貧しい多くのドイツ国民という構図が、現在の多くの豊かな西欧諸国と貧困にあえぐそれ以外の国々という現実と似通って、さらに、イスラム国の台頭がナチスの台頭に重なって、現実の危うさが感じられた。 イスラエル(ユダヤ)は豊かな国で、パレスチナの貧困にあえぐ人たちと強力な軍備で対峙しているが、これも本当はどうなのか。 日本の児童の16%は食事も十分にとれない貧困状態にある、一方でどんどん廃棄される食品をよこに、消費をあおるような企業活動・・・。 かなりどこかが壊れ始めている現実への警鐘としての価値はあったようです。

  • sei********

    4.0

    青年ヒトラーを主人公にしたファンタジー。

     アドルフ=ヒトラーがまだ政治家になる前の青年時代を描いた作品である。といっても、史実に沿ったフィクションというよりは、ヒトラーというキャラクターを使って、もしかしたら画家になる可能性が有ったかもしれないという仮説から創ったファンタジーである。史実との隔たり具合は、明治維新から西南戦争までを描いた「ラスト・サムライ」と同程度なので、時系列は無視している。日本を知らない人間が「ラスト・サムライ」を観たらホンモノの日本近代史と思ってしまうように、青年時代のヒトラーをよく知らない人間が観れば、史実に沿った映画だと思い込むだろう。  物語としては起承転結よくまとまっていたし、主人公を裕福なユダヤ人画商に設定し、未だ反ユダヤ主義に染まりきっていない青年ヒトラーの絵画の才能を見出し(余談1)援助するというシチュエーションは興味深い。主人公に対立する存在として反ユダヤ主義の保守的な軍人が登場し、ヒトラーの演説の才を見出し手放すまいとする。繊細で不安定な精神状態の青年ヒトラーは、両者との葛藤で揺れ動くがラストで決定的な事件に遭遇する。これら相関関係の描写は判り易くて見事だった。また、青年ヒトラー役のノア=テイラー氏の演技は作品の説得力を上げるもので素晴らしかった。  とはいえ、主人公であるユダヤ人画商は架空の人物で、青年ヒトラーを取り巻く状況を観客に解りやすくデフォルメして演出したものである。史実との隔たりを考えたらファンタジーと思ったほうが良いだろう。  この手の映画で私が期待するのは、完全なファンタジーだった。30年以上前にアメリカのSF作家ノーマン=スピンラッド氏が発表された「鉄の夢」は衝撃だった。内容は、ヒトラーが政治家の道へ進まずアメリカへ移住してイラストレーターや小説家として大成し、未来世界で新人類の攻撃を受ける純潔人類の抵抗を描いた「壮大な」SF小説、という設定のもとでスピンラッド氏が架空の小説家ヒトラーになりきって描いていた。私はこの映画化を期待していたし、ファンタジーならそこまで徹底して踏み込むべきだと思っていた。(余談2)  「アドルフの画集」は私も創作活動をやっていた時代によく似たストーリーを考えていて、20年前に「鉄の夢」の翻訳本を読んだときのサプライズが大きかったので私のヒトラー物語案は凡作としてボツにした。  映画史としては平凡な青年だったヒトラーの姿に焦点を当てたことで評価されるのだろうが、私にとっては想像できる内容の映画だったので及第点にしか見えなかった。 (余談1)ヒトラーの絵画を見たことがあるが、デッサン力がずば抜けているとは思えなかった。自慢話ではないが、私も高校の美術であの程度は描けていたと思うし、友人たちはもっと巧かった。中にはデザイナーになったり、ゲーム業界で出世している者もいる。ただ、絵が下手だった人が漫画家になったりイラストレーターになった例も知っているので、「鉄の夢」はありそうな話でインパクトがある。  逆にヒトラーが画家になる可能性は低いし、第一次大戦中は軍隊生活に順応して司令部付伝令として目覚ましい働きをしている。最終的には伍長勤務上等兵に昇進し、兵卒としては極めて異例の第1級鉄十字勲章を授与されている。この勲章は将校たちが襟の止め具あたりに飾っている十字の勲章で、貰えない将校もいる。つまりヒトラーは「充実した」軍隊生活をおくっていて、彼にとってこの勲章は誇りであり拠り所となり、自殺するまでナチの制服の左胸ポケットに取り付けていた。ヒトラーは映画のような自信喪失状態の青年ではなかった。敗戦の報せで泣き叫んだそうだから、もはや彼の関心事は藝術ではなく政治に移行していた。  大戦後は引き続き軍隊に留まり、政治団体を調査監視する代理将校になり、担当の政治団体の1つだったナチ党集会で弁士を論破したことから党議長から歓待され軍を辞めてナチに入党、ほどなく宣伝部長になった。その後の経緯は世界中の人間が御存知の通りである。 (余談2)映画のヒトラーは、たぶん美術大学受験を目指していたリンツ・ウィーン時代のハイティーンから20歳過ぎくらいの頃を無理やり大戦後にもってきた感じがする。ノア=テイラー氏の風貌は第一次大戦後のヒトラーではなく20世紀初頭の頃のものだ。  実際のヒトラーは20代前半頃から髭を蓄え、第一次大戦時には立派なカイゼル髭にしていた。だから映画で髭の無いヒトラーを観たとき、私は白けてしまった。

  • lec********

    5.0

    ネタバレ主人公は「マックス」なのに

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • cws********

    3.0

    小ヒトラーを生み出さないために

    今までのヒトラー観が揺るがされた作品。 ヒトラー=世紀の大狂人と認識していたが、この作品からは、孤独な男が他人から認められたいという、社会的欲求を狂おしく求めた過程が伺える。 当時のドイツの宗教観、ユダヤ人観を知るには格好な教材だ。 ユダヤ人差別はヒトラーから始まった訳では無い。既に中世からユダヤ人は黄色のマークを付けるよう、義務付けられていた。ユダヤ人は一神教を信じ、商才に長けていたために、他の民族から妬まれていた。隣人愛を説くキリスト教さえ、ユダヤ人であるというだけで、魔女(男)として処刑を許していた。 そんな歴史が積み重なり、アーリア人の純血を守るにはユダヤ人の絶滅が必要不可欠なものとして、敗戦に疲弊したドイツ人の心を捉えた。 今もネオナチが存在している訳は、それで説明できるのではないか? ヒトラーは時代に呼ばれ、怪物へ変容していった。 独裁者を許してはいけない。

  • syu********

    4.0

    冷静なるヒトラー観

    アドルフ青年の姓はヒトラー、かのアドルフ・ヒトラーです。彼がまだ絵画を捨てきれずにいた最後の時期を、彼の人間的な部分に照準を合わせてじっくり味わうことができます。アドルフ青年の見せる神経症的な潔癖さや禁欲的な性向は、自分の“たが”を外すことを怖れているひとつの類型としてもとても巧く描かれています。繊細で、小心者でもあり、同時に激情やこの世への不満(やがて憎しみ)をも心中深く抱いているアンバランスな青年像は映画的にとても優れていると思いました。独逸軍の上官と猶太人画商マックスの間で揺れ動くアドルフは浮き草のように心もとなく見え、友もなく支えもないあるひとりの人間が、どれほど人から認められることに飢えるものなのか、を想像すると言いしれぬ哀れさを覚えます。絵を描くことに関してすぐれた技術を持っていながら、すぐに道を究めることのできない絵画ではなく、ダイレクトに大衆の評価が跳ね返ってくる演説家という道をついに選んでしまったことも、この映画を見ていると理解できる気がします。たとえば、映画には画商マックスの妻としてバレエダンサーも登場するのですが、観客から賞賛をもらえると(自己表現を達成した満足感を第一とすれば)その次にうれしいわけですし、アドルフの中ではそれが己の政治的な見解(というほど理論的ではないにせよ)で人々を扇動する時の聴衆の反応に相当したのでしょう。ただひとつ、舞台芸術と政治活動の違いは、支配性のあるなしにあり、その意味では彼の中の、誰よりも優れていたいがために自分を磨くのではなく他者を制するという欲望(弱さ)の萌芽がよく現れているように思いました。(こんな風なさり気無い比較対象を持ち込んでくる手腕も、この映画の完成度の高さを物語っていると言えます。) 戦後も2002年に至ってやっと冷静なヒトラー観の映画が製作されるようになった。客観的なワイマール期研究の足しになる。 ∽ 2002. ヒットラー 第1章:覚醒/第2章:台頭   政権奪取までの話

  • カッチン

    4.0

    今一つ緊張感が・・・

     事前に内容を聞いていたせいか個人的にはちょっと。。。 大きな理由として  1.待ち合わせにマックスが着ていればヒトラーは画家になっていたという事?  2.内容いまいちの反ユダヤ話をただ喚いているだけであんなに人が感銘する?  3.この映画だと今一つヒトラーがダメ男的弱い人間みたいに映る。  4.マックスが暴行を受けた現場はマックスだけが通っていて全然気付かれない??? おそらく評価分かれる作品でしょう・・・。因みにジョン・キューザックは大好きです。

  • ななぽよ

    5.0

    ネタバレ2年以上前になりますが

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • man********

    2.0

    ネタバレ発想はね・・・

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • aki********

    3.0

    ノア・テイラーの顔が怖い

    カットの切替のとき、前のカットが毎回いちいちすごく緩むことが目立つ。全く何も考えていないようなダラダラした印象を残してつないでいくので、緊張感に欠けてしまう。 脚本も今ひとつ。ヒトラーの内面に踏み込んでいるとは言いがたい。 小柄で顔が怖いというノア・テイラーはヒトラー役にハマリすぎ。でも絵を描くシーンがもっとほしかった。

  • sho********

    2.0

    ヒトラー役の俳優

    舌足らずなのか歯も汚く口が特に気持ち悪かった。髪の毛も常にべっとりしてる感じだったがこんな感じの男がナチスを率いていたのかなぁと思いながらぼーっと観てました。 内容はあまり理解出来なかった為、最後の方で居眠りしてしまったのでよく分りません。

  • ang********

    4.0

    芸術を漠然と目指している人間には…

    金言の宝庫と言っていいです。 漠然と自分の才能に自信と不安があって、そのくせ努力を怠っている人間にはモスマンの言葉が耳が痛い……叱咤というか、奮起させられる言葉が盛りだくさん。 ヒトラーという人物としてではなく、ナイーブで神経質な一芸術家の葛藤としても一見の価値ありです

  • s_o********

    3.0

    ネタバレもやもやとした感じが残る

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • 検非違使

    1.0

    オチが読めてしまう

    ラスト5分までは、かなりよい映画だったのである。映像といい、演技といい、展開といい、☆4つつけても十分なほどだ。ただ、架空設定を描くこの手の映画は、オチがすべてである。ラストに近いあるシーンで完全に先が読めてしまい、まさにその通りになった。詳しくは見て欲しいが、こんなオチであれば、そもそもこの映画には存在理由がない。 なぜこんなに月並みな結末にするのか、全く理解に苦しむ。映画としての価値が台無しだ。最後の最期で手をゆるめた制作者には絶望してしまう。手抜きなのか?それとも想像力の欠如なのか?それともどこからか圧力がかかったか? ここまで見た時間を返せという意味で厳しい評価をつけさせていただく。駄目だよ、これ。

  • aki********

    2.0

    歴史は変わった?

    どぉなんやろぉ・・・ヒトラーが画家として成功して他の人が総裁になってたとしても前からユダヤ人差別はあったみたいやしみんなをまとめる為の理由として迫害はあったかもしれん。。。って思ってしまった。やっぱり何でそこまで人種ってことが大事なんか理解できません。ってことを考えただけで・・・内容はあんま覚えてないかも。英語?ドイツ語ではなかった気がするけど。。。なのでヒトラーの演説の迫力がなかったのが残念かなぁ。

  • hid********

    4.0

    ヒトラー映画にしてはロマン叙情的

    ある種ヒトラーが何故ユダヤ迫害をしたかつながっているところも感じさせる。ある程度事実に基づいている感じのする映画 だがかなり叙情的、感傷的、 これを観てヒトラーという人物に人間的な部分を感じてしまうのは社会的に問題だと冷静に考えればそう感じてしまう 基本的にヒューマン映画だし ある意味問題作 映画としての出来も悪くないだけに…よけい問題作

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