HAZAN

108
HAZAN
3.0

/ 6

17%
17%
33%
17%
17%
作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(4件)

悲しい25.0%泣ける25.0%切ない25.0%知的25.0%

  • dam********

    2.0

    葆光釉(ほこうゆう)の美しさだけ

     初窯の焼成中に、窯の中の温度が上がらず、薪が不足してしまう場面がある。  妻のまる(南果歩)が大八車を走らせて近所に薪をもらいに行くが、それでも足りずに、とうとう母屋の雨戸を壊して木っ端にし窯にくべる。  この場面で、この映画は終わった気がした。  ありえない。  まず、薪が不足してしまうことがあり得ない。作品を焼くのに、十分な薪を準備しておくことなんて当たり前のことではないか。  また、妻のまるが取り乱した様子で隣家に薪をもらいに行く姿が、大げさすぎてしらける。何より、まるがいかに必死とはいえ、薪にするため雨戸を壊しだしたところで、もうマンガの世界である。雨戸なんてあんな薄っぺらな板きれ、5枚10枚集めたってすぐ燃えてしまい、薪の代わりになるはずがない。  とはいえ、轆轤(ろくろ)師の現田市松を雇い入れ、葆光釉(ほこうゆう)による作品が生み出されるあたりから、波山独特の気品のある焼き物が出てきて、少し面白くなった。波山の葆光釉は、焼き物の生地に、本当に淡いほのかな光が閉じこめられているようで、こんな優しい美しさをもった焼き物はないと思う。  しかし、結局この映画は、波山の何を描きたかったのか、よく分からない作品だった。  波山自身も、とうてい魅力ある人物とは言い難い。  演技面でも、波山の榎木孝明、はまり役だとは思うが、いかんせん波山自身に魅力がない。南果歩も、こんなやりづらい役はなかったのではないか。南果歩の魅力が全く引き出されていない。子役も大はずれだ。

  • nau********

    3.0

    全体としては

    あまり、印象に残らない映画でした。 ただ、ほかの方のレビューにありましたが 薪が足らず、雨戸を壊してくべたのは本当の話です。 ところどころ、現代人には「?」なエピソードが多いのですが ほとんどが実話です。 板谷波山の生きていたころは世の中も貧しかったようですが 板谷波山はそれにもまして貧しく 板谷家の生活は今では想像もできないくらい貧しかったようです。 それゆえ、現代の人には理解できないことも多いと思います。 その貧しい生活の中でも、作品制作に妥協しなかったので 後々には文化勲章を受章できたのでしょう。 板谷波山の作品は、本当に美しいです。 しかし、この映画自体が何を中心に描いているのかが分からず 板谷波山もあまり魅力ある人に描かれていないので かなり残念です。

  • ss1********

    5.0

    芸術に命を賭けた『生きざま』

    『HAZAN』というタイトルは、いかがででしょうか? 私は陶芸の知識がないので、「波山」(はざん)という、陶芸をを芸術にまで高めた陶芸家のことすら知りませんでした。 「板谷波山」(1872~1963)のことを語る映画ならば、もっと適したタイトルがあるように思うのです。何の映画かわからないタイトルは、損だなあと思います。例えば、『波山~炎の陶芸家~』でもいいんじゃないでしょうか? 最初から文句をつけてしまいましたが、映画を観進めるうちに、この作品の持つ深い芸術性に心底、しびれてしまいました。 「かつて美しき日本人がいた」 というコピーの文句に偽りはありませんでした。 「清貧」という言葉と、「芸術」という言葉が、これほど圧倒的に心に流れ込んで来る作品があるとは…と感嘆させられた一作でした。 この映画を観れて、そして、板谷波山のことを識ることができて、「よかった!」としみじみ、ありがたく想いました。 何がありがたかったか…それは、いろいろありすぎて語り尽くせませんが、あえて一つに絞れと言われれば、それは、波山の「決して自分に妥協しない」姿勢でしょうか。 芸術的に納得がゆかない作品は、たとえ幼い子供たちを飢えさせてでも、金槌で叩き割ってしまう「凄み」。怖ろしいまでの「妥協の無さ」。 寺島進演じる米屋は貯まりに溜まったツケを返してもらえない腹いせを、波山の妻「まる」にぶつけます。 「子どもを飢えさせて、何が芸術だ!」 「飯も入ってない茶碗がなんになる!」 と、激しく妻まるを罵り、茶碗を投げつけてきました。 波山は、江戸幕府が倒れて間もなくの明治5年に茨城県下館市に生まれ、明治、大正、昭和を生きた陶芸家です。陶芸の芸術性を高らしめることに、生涯を捧げました。安定した教師の職をなげうち、窯と貧しい家を建て、素人の身で、理想の芸術に向って挑んでいきます。 波山役の榎木孝明の、気負いのない、自然体の、それでいて芸術家の持つ鋭鋒を見せる演技は、まさに、はまり役でした。 陶芸に打ち込めば打ち込むほど、迫る来る貧困。 貧しさに耐えながらも、懸命に陶芸を手伝う妻まるを南果歩が熱演し、そのひたむきさには心を揺さぶられます。 窯にくべる膨大な薪(まき)を買う金にも追われますが、ついに金が底を尽き、薪も無くなり、絶対絶命のときに、まるが、家の雨戸を外し、叩き割って薪代わりに窯に放り込むシーンには、感動させられました。 窯の中の「炎」の映像が、えも言われぬ美しさでした。 あるとき、窯で上がった作品を売ってなんとか借金の一部を返そうと必死で取りかかっていた時、不運にも地震に襲われ、作品が全滅したことがありました。 壷が破損したわけではありませんが、表面の上薬が傷ついてしまったのです。 素人目には、素晴らしく、美しい壷ばかりです。 あの、「ガレ」の影響を受けた波山の作品は、ダイナミックな中に繊細な美しさがあり、彼が壷の中で描いて見せる花々はみずみずしく生きているようなのです。妻まるは、「キズを筆で隠して、なんとか売り物にしてください」と懇願しますが、波山は首を縦に振りません。 「あなたは、子どもたちを飢え死にさせる気ですか!」 妻の叫びに耳を貸そうともせず、波山は表情を殺して、壷を一つ一つ、金槌で割り続けていきます。華麗な壷が割られてゆくさまは、見ていて実に哀しく、切ないものです。 失敗作とはいえ、あまりに美しい壷なのです。 波山は最後の着物を売って、借金取りに金を払いますが、彼らは割られた破片を手にして、美しさに感嘆し、「もらって帰ってもいいですかい?」と尋ね、持ち帰ってゆきます。 やがて、波山は、現田市松という「轆轤師」(ろくろし)と出会い、その技に惚れ、自宅に連れ帰り、現田と二人三脚で次々と芸術作品を誕生させていくことになります。 唸り声をあげながら、我を忘れて、轆轤を廻す現田市松の姿は、観る者を引きこんで離しません。1959年生まれの「康すおん」という俳優が演じているのですが、あたかも、麻薬中毒者が麻薬を注射し、次第に夢心地に浸っていくような、そんな悦楽感で身体をうち震わせながら、轆轤を廻します。 息を呑むような見事な演技でした。 カメラマン一ノ瀬泰造の死を描いた『地雷を踏んだらサヨウナラ』の五十嵐匠監督の地道で真摯な演出と、余人には真似の出来ない才能には、感心させられてしまいます。 本作の3年後には、やはり名作の『アダン』で、孤高の天才画家田中一村を描いています。3作が共有しているのは、五十嵐匠監督の生死観でしょう。 途方もなく静かな、生死観です。 言わば、完結した側から…死を恐れない視点から、カメラを廻す独自の才能が、この監督にはあるのです。 だからこそ、芸術家の「潔さ」が清澄に撮れるのでしょうね。

  • kee********

    4.0

    これも

    単館系の映画館で2~3年前に観ました。 加瀬亮が出てたんですね。 気が付かなかった・・

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


榎木孝明板谷波山
南果歩まる
康すおん現田市松
柳ユーレイ深海三次郎
寺島進サブ
長谷川初範新納忠之介
大鶴義丹平野耕輔
益岡徹岡倉天心

基本情報


タイトル
HAZAN

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル