解説: 　男はバスに乗っていた。そして、バスの中でいつの間にか眠りに落ちていた彼は、“どこか”にたどり着く。男にとってその場所は、よく知っているような、もしくは全く知らないような曖昧な記憶の街だった。その視界には長い坂道、揺れるブランコ。やがて、彼はひとりの少女に出逢う。その少女や彼女の部屋もまた、男の記憶の中でよく知っているような、知らないような存在だった。そんな中、バスは、ゆっくりと坂道を下っていく。その夜、男はひどく熱を出した。それでも彼は、またバスに乗り、眠ることを確信していた…。