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ぼくは怖くない

ぼくは怖くない

IO NON HO PAURA/I'M NOT SCARED

109

しん

5.0

罪のない子供たち

いかにもイタリアらしい映画である。 住んでいる人の雰囲気、建物、広がる大地、青い空そのイメージからして イタリア半島の南部のシチリア辺りの設定だろうか? 一面に渡る自然の中で鬼ごっこをする子供たち。 どうやらイタリアには日本に近い文化がある様である。 「だるまさんが転んだ」・・・おっ!イタリアでもあるんや! 「蚊取り線香」・・・えっ!イタリアにも蚊取り線香あるの?! そして負けた子供には罰ゲームがある。 罰ゲームを受ける女の子に「アソコを見せろ」と言った時はビックリしたが・・・ 女の子の罰ゲームを変わってあげるミケーレ。 そして帰る途中、妹が落としたメガネを探すため一人「その場所」に戻る。 そこでミケーレはワラで覆われた「ほら穴」を発見する。 ミケーレがホラ穴で見たものは「人の脚」だった! 慌てて逃げるミケーレ! 次の日またそのホラ穴を覗くと・・・ 「ギャ~~~~~~~~ァ!」ああビックリした! 「何じゃこりゃ!ホラー映画か?!」 「陽気な民族音楽が掛かるホラーなんか聞いた事ないぞ!」 そしてカラス、鶏の死骸、巨大な蜘蛛、フクロウ、ガマガエル・・・ これらの動物の不気味なカメラアングル。 「何なんやこの映画! 僕やなくて私でも怖いぞ!」 しかし、この後「本当に怖いもの」を観る事になる。 本当に怖いもの・・・それは「大人」である。 タイトル「ばくは怖くない」の「怖い」に色々な伏線を撒きながら 予想外の展開にする脚本は見事である。 そしてどんどん映画に引き込まれて行く。 子供視点である事や映画の雰囲気から 「ミツバチのささやき」に似ている感じがする。 事実が分かってからのストーリーは至ってシンプルだが、 子供たちの微妙な心理や友情が巧妙に描写されている。 そしてラストシーン。 ミケーレはどうなったのか? ラストは選択枝があり鑑賞者に考えさせ、想像させるのである。 同じ映画を創ったとしてもハリウッド映画では絶対にこの雰囲気は出せない。 映像、音楽、カメラアングル、会話や沈黙の静かさの間、 ラストの展開、全てに於いてイタリア映画である。 ハリウッド映画はより「ゴージャス」に、 イタリア映画はより「シンプル」に。 このシンプルさがイタリア映画の魅力とも言える。 またひとつイタリア映画の名作に出合えました! 万人受けしないかも知れませんが イタリア映画好きの方には是非おススメしたい作品です!

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