2010年4月17日公開

ノン、あるいは支配の空しい栄光

NON', OU A VA GLORIA DE MANDAR/NO, OR THE VAIN GLORY OF COMMAND

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ノン、あるいは支配の空しい栄光
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

1974年春、アフリカとの植民地戦争を繰り広げていたポルトガル兵士たちが不毛な戦争について語り合う中、カブリタ少尉(ルイス・ミゲル・シントラ)はポルトガルの敗北の歴史について話し始める。彼が語る過去の3つの敗北の歴史が意味するのは、支配することの空しさだった。

シネマトゥデイ(外部リンク)

作品レビュー(4件)

悲しい20.0%恐怖20.0%絶望的20.0%切ない20.0%知的20.0%

  • jsr********

    4.0

    高さの覇権争い

    冒頭、走るジープからの仰角トラッキングショットで捉えられた大木。 ジープの乗客である兵士達は背中合わせ2列に整列し、背景が次々と水平運動で走り去る。 放物線を描く投石や槍投げ・火葬で崩れ落ちた族長の遺灰・昇天する女神・天に掲げられ地に引き摺られる旗・救急ヘリの飛行・上下運動の心臓マッサージ、栄光は天にあり敗北とは地に落ちることか。 口頭伝承の主である少尉を殺すのは<書かれたもの>進軍を命ずる電報であり死亡診断書である(最期にペンは地に落とされる)。 車上と違い前線での兵士達は動かない背景の中自ら水平移動(歴史に参加)し、奇襲を受け並列に並ぶ。木上の敵を狙撃する為立ち上がった少尉は自らも撃たれる。高さを競い合ったこの一瞬が「栄光」なのだろう。

  • ann********

    4.0

    難しい・・・

    世界最高齢でポルトガルの巨匠、オリヴィエラ監督の1990年の映画。 この映画で世界的に有名になりました。 内容は栄光と敗北を繰り返したポルトガルの歴史を描いた作品。 たしかにポルトガルの植民地時代は凄かったのは分かりますが、 ○○王とか、○○王子などの登場人物が分からなくて 難しかったです。 愚かな王のせいで処刑されたり、 攻撃され一瞬で命を落としてしまう兵士。 一体誰のための何のための戦争なのか、観ていて切なくなりました。

  • bon********

    4.0

    右から読んでも左から読んでも、NON!

    NONという語は、右から読んでも左から読んでも、NON。 映画の中で語られていた。ラテン語らしい。 180度回転させてもNONだ。 数字でいえば0、あるいは素数のように 絶対的な存在なのかもしれない。 オリヴぇイラ監督がそんな強力なワードを立てながら 語っていくポルトガルの歴史。 (まったく知らない人物ばかりで、なんとも理解しづらかったですが) そして並行的に展開する現代(といっても1970年代)の物語。 監督は親切にも副題的なものをつけてくれていたので、 「あるいは支配の空しい栄光」と。 テーマ的にはよくわかりました。 支配しようとする野望と欲望にNONと。 かつて読み、感銘を受けた大岡昇平の「レイテ戦記」の一節を思い出しました。 「他人の土地で儲けようとするものは必ず失敗することになる」 なるほど、大きな定理ですねえ。 ポルトガルはモザンビークやアンゴラなど植民地を 最後まで支配しようとしたのですね。、 この映画の現代シーンがそのむなしい戦いに 命を落としていく少尉の話になっている。 1974年に独裁政権が終るまで続いたとは。 (そして少尉はその年に命を落とすのだが、、) 普遍的な力を持つ物語だ。 他国、或いは他者を支配しようとする行為の空しさ→挫折。 日本の歴史にも、アメリカの現代にも、 世界のいたるところに繰り返されている。 オリヴェイラ監督は、そういう愚かしさに対して 神の叡知的なものをあげていたが、その点は もちろんキリスト教徒でもない私にはいまいちつかめなかった。 さらに、岩波ホールの小さなスクリーンに細い文字の字幕で 性格には読み取れなかったのでした。 残念。 観念的な映画でもあるけど、 そこはオリヴェイラ作品。 映画としても充分楽しめる。 独特の輝かしい映像。素晴らしい音楽使い。 出だしの一本の木を何周もしながら撮っていく長回しはすごい! 軍用車が遠くから走ってくる間、道の脇の草木が 風に揺れるシーンもすごい。 歴史的な戦いのシーンも素晴らしい。 特にモロッコへ侵攻し完敗し、王まで死んでいくシーンも。 CGを使うわけでもなく、アクションがすごいわけでもないのに 忘れられないシーンになる。 オリヴェイラ作品の素晴らしい魅力。 冷たい知性と、おさまらない情熱や欲望。 それを映し出す美しい映像。 5月に上映される「コロンブス 永遠の海」も 見に行かねば! なんとオリヴェイラ監督夫妻が出演とか。 ※最後に余計かもですが、 岩波ホールのスクリーン大きくならないものでしょうか。 特にオリヴェイラ作品などはもっとたっぷり見たいなあ。 敬意を表する素晴らしい上映史のシアターなのですが、残念だなあ。

  • ********

    4.0

    過去の総決算

    不思議な作品。ポルトガルのめちゃくちゃ有名な監督によるポルトガルの歴史を振り返る映画。1974年、植民地を維持しようと戦うポルトガルの兵士たちは、何のための戦争なのかと話し合う。歴史家の中隊長はローマ以来の歴史を振り返るが。。。 なにがすごいって、まずは音楽。これ最高。次に、みんなで語りあっているシーンが多いのですが、彼らがカメラに向って語ること。主観ショットの切り返しじゃないのに。見ているこちらに語りかけているようでこそばい。さらに、振り返った歴史場面の映像の幻想性。逆に、リアルな戦闘場面のスピード。中世の戦争の馬の速さと大砲のまぬけさ。 現代場面(1974年)にも歴史場面にも同じ役者が登場します。大航海時代に世界を制覇したポルトガルが、すぐに没落する大きな原因となった「狂気の王」。大けがをした中隊長の夢にあらわれるその王が圧巻です。 1990年のこの映画がなぜ74年を設定しているかというと、この年ポルトガルでは革命があり、翌年には植民地がなくなるからです。兵士たちが歴史を振り返っているのは、革命前の倦怠ムードからだし、過去の総決算なのです。そして、それが1990年に作られているのは、何かが起こる予感がみなぎっていた冷戦末期の、これもまた、過去の総決算なのでしょう。 「狂気の王」に疲れてしまった中隊長。過去の総決算は、たやすくない。という映画だと思います。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
ノン、あるいは支配の空しい栄光

原題
NON', OU A VA GLORIA DE MANDAR/NO, OR THE VAIN GLORY OF COMMAND

上映時間

製作国
ポルトガル/スペイン/フランス

製作年度

公開日

ジャンル