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アメリカン・スプレンダー (2003)

AMERICAN SPLENDOR

監督
シャリ・スプリンガー・バーマン
ロバート・プルチーニ
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3.57 / 評価:56件

解説

日常を描いた全米の人気コミック“アメリカン・スプレンダー”の原作者、ハーヴェイ・ペカーの人生を映像にした少々風変わりな恋物語。主演に『デュエット』のポール・ジアマッティ、彼と電撃結婚する相手に『アバウト・シュミット』のホープ・デイヴィスら演技派俳優が勢ぞろい。2003年サンダンス映画祭グランプリや本年度アカデミー賞脚色賞など全米の賞レースを制した、映画と現実と漫画が一体化した話題作。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

友人の人気コミック作家、ロバート・クラム(ジェイムズ・アーバニアク)に触発され、病院の書類整理係のハーヴェイ(ポール・ジアマッティ)は一念発起。平凡な自分の人生をコミックの原作にし人気を得る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「アメリカン・スプレンダー」ひたすらズレていく視線によって捉えられた世界の姿

 主人公のハービー・ピーカーは39年生まれの実在の人物。70年代から自らの生活をネタに、漫画「アメリカン・スプレンダー」の原作を書き続けてきた。この映画はそのピーカーの若き日の物語なのだが、自らがナレーターを務める。つまり、映画においても、漫画と同じく語り手の位置に、彼は収まる。常に自らを語り手でもありその対象でもあるものへと仕立て上げる徹底した距離感が、彼の真骨頂だ。早い話、「おかしな人」なのである。

 30歳を過ぎてようやく原作者デビューを果たした彼は、小説や音楽のマニアでSP盤レコードの収集家。当時はまだ十分に珍しかった「オタク」であり、それゆえ当然、社会との関係もズレまくり。そのひたすらズレていく視線によって捉えられた、彼を取り巻く世界の姿が「アメリカン・スプレンダー」である。

 映画もまた、そんな彼のズレた視線に倣う。だから映画的な語り口からも文法からもそれは外れ、映画でも漫画でもアニメでもない「アメリカン・スプレンダー」としか言いようのない何かへと、それは姿を変える。映されている固有の場所と時間は、いつでもなくどこでもない場所へと変る。主人公も誰でもない誰かへと変る。そして世界中のどこにでもあるだれもが主人公である物語になるのだ。(樋口泰人)

ヴァージンシネマズ六本木ヒルズほかにて公開中

[eiga.com/7月27日]

映画.com(外部リンク)

2004年7月27日 更新

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