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ヴェロニカ・ゲリン (2003)

VERONICA GUERIN

監督
ジョエル・シューマカー
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2.92 / 評価:256件

ジャーナリスト魂に瞑目す

  • fg9***** さん
  • 2017年4月27日 15時25分
  • 閲覧数 538
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 …前々から観たかった作品だ。
 …『フォーン・ブース』のジョエル・シュマッカー監督の2003年の作品だ。
 …あらすじは、解説のとおり。
 1996年、アイルランドのダブリンが舞台で、アイルランド最大の部数を誇る大手新聞社サンデー・インディペンデント誌の記者のヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)の実話の映画化だ。
 ヴェロニカは、スピード違反の常習者で裁判にかけられていたが、判事連中を上手く遣りこめて罰金刑のみで放免される。
 その帰り道、晴々した気持ちで車を転がしていたが、交差点に至ったので車を止める。
 すると、二人が跨ったバイクが彼女の車に接近し、いきなり車の窓ガラスを砕いて、彼女に向けて銃口を突き付ける……というショッキングなオープニングで始まり、このシーンの結果がエンディングで明かされるのであった。
 で、話しは2年前に遡る。
 ダブリンの下級階層の人達が暮らす一帯を取材するヴェロニカ。
 道路脇のあちこちにヘロインで使われた注射器が散在する。
 それを幼い子供たちが弄んでおり、路地裏ではヘロイン中毒の少年・少女がゾンビの如き様相で蠢いていた。
 ヘロインによる惨禍に浸蝕され尽くされている状況を憂いて、ヴェロニカは麻薬犯罪の実態の調査に乗り出し、核心に切迫するまでに至る。
 そんなヴェロニカを麻薬組織が抛っておく筈がなく、家を襲撃されたり、子供を誘拐されそうになったり、脅迫的な示威行動が相次ぐようになる。
 ある時は、ヒットマンに命を獲られそうになったが、幸い?にして脚を銃で撃たれるという軽症?で事なきを得た。
 こんな酷い仕打ちにあえば気持ちはメゲてしまうものだが、ヴェロニカはいっかな追及の手を休めず、麻薬組織の隠れたドン・ギリガン(ジェラルド・マクソーリー)の自宅に押しかけてインタビューをしようとする。
 このギリガンの悪役ぶりがオットロシイ。
 普段は紳士面をしているが、キレると何を遣らかすか解らない。
 この時も、唐突にヴェロニカの顔面を思いっ切り殴り倒してしまうのだ。
 ヴェロニカはぶっ飛ばされて、顔面から鮮血を滴らせて恐怖に震え慄いてしまう。
 この場面を見ていたギリガンの奥さんにも滅法腹が立つ。
 女性に暴力をふるう旦那を目の当りにしながら、酒を飲んでほくそ笑んでいるのだ。
 けったくそが悪いったらありゃしない!
 で、ヴェロニカは、自分の夫にだけは恐怖に震え慄く気弱な自分を見せるのであったが、彼女の追撃の手は止まることがなかった。
 そして、車の窓ガラスを割って拳銃を突き付けられる冒頭のシーンに戻るのであるが、
 両手で顔を覆いながら悲鳴をあげるヴェロニカの表情には慄然となった。
 ヴェロニカは6発の銃声を浴びて、37歳の若さでこの世を去ってしまったのであった。
 葬儀・出棺に際しては、民衆がこぞって彼女の死を悼んだ。
 そして、「ヴェロニカの死」はアイルランドの国論をも動かし、憲法を改正させ、麻薬ブローカーが一挙に150人も逮捕されることになる。
 また、麻薬王ギリガンもイギリスに逃亡したものの、2000年にアイルランドに送還され、刑務所に放り込まれた。
 「勇気の人」、「信念の人」という言葉では括り付けられないヴェロニカ・ゲリンを、ケイト・ブランシエットが成り切って演じており、哀しい結末ではあるが、彼女の偉業にジャーナリストの魂を感じさせる、十分見応えのある作品だった。
 何気なくコリン・ファレルも出ていたが、話しにどう加わるでもなかったのはご愛嬌か…。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
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