ここから本文です

ドリーマーズ (2003)

THE DREAMERS/I SOGNATORI

監督
ベルナルド・ベルトルッチ
  • みたいムービー 143
  • みたログ 514

3.33 / 評価:173件

映画狂と革命

  • 文字読み さん
  • 2010年2月11日 23時56分
  • 閲覧数 1538
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

2003年。ベルナルド・ベルトルッチ監督。1968年パリ五月革命へと時代が動いていくなか、映画狂の双子兄妹とアメリカからの留学生の3人の共同生活。親密すぎる双子が二人だけの関係に閉じこもろうとするのを留学生が「外」へ目を向けさせようとするが、、、。あけすけな性描写のために成人映画扱いですが、隠すことで隠微な力を発生させようということがないため、まったく卑猥ではない。むしろ二十歳にもなってお互いに未分化の男と女の双子は端にピュアで夢見がちな子どもなのであり、裸で一緒に眠り、風呂にも入るのはそれが恥ずかしいとも感じないからです。三人一緒に一つのバスタブに入るシーンでは三つの鏡に三人が別々に写っている。未分化と個は映画の大きなテーマなのです。

そうした未分化な子ども状態をアメリカ人が崩していくのですが、それが映画狂の象徴としても扱われているのは明らかです。映画狂=大人になれない子ども。映画のなかには夢だけがあって規則もないし禁止もない。だから「大人になれ」とアメリカ人が言い続けるのは、一方では未分化状態からの脱出を意味していますが、他方では映画から距離を置くことを意味しています(それまで一番前の席で一緒に映画を観ていた双子が、アメリカ人によって画面から距離を置く)。

ところが、ラストではアメリカ人の制止を振り切って、双子は夢のような気分のままパリの革命運動に身を投じていく。理性的なアメリカ人ではなく、映画狂=子どもであるフランス人たちだからこそ革命が可能になったということでしょうか。確かに、未分化の子どもと革命の主体(マルチチュード)はブルジョワ的個人主義に対立している群集、という意味で近い。映画狂と革命の近さ。

全編美しすぎる光のなかでほとんど裸体の男女が行きかう。会話の内容は30年代のハリウッド映画であり、同世代のヌーヴェルヴァーグ。多くの有名作品が少しづつ登場します。美しすぎる映像は映画狂=子どもの夢の世界だからに違いありません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ