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隠し剣 鬼の爪 (2004)

監督
山田洋次
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4.03 / 評価:592件

解説

日本だけならず世界をも感動させた『たそがれ清兵衛』の山田洋次監督が再び藤沢周平の世界を映画化。スタッフも『たそがれ清兵衛』のメンバーが再集結。今回も下級武士の哀歓を美しい映像で、しっとりと描く。主役の片桐宗蔵はさまざまな役に挑戦し続ける、日本映画界のホープ、永瀬正敏。彼が身分違いの恋に悩む娘きえには松たか子。『たそがれ清兵衛』で注目された前衛舞踊家・田中泯も宗蔵の師匠役で登場し、みごとな殺陣を披露している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

幕末。片桐宗蔵(永瀬正敏)は昔、自分の家に奉公していたきえ(松たか子)と再会する。商家に嫁いだきえはやせ細り、無残な姿だった。妹(田畑智子)から彼女のひどい境遇を聞いた宗蔵はたまらず、彼女を助け出すが……。

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映画レポート

(C)「隠し剣 鬼の爪」製作委員会
(C)「隠し剣 鬼の爪」製作委員会

「隠し剣 鬼の爪」時代は動くが継続されるものはある

 山田洋次監督後期のライフワークになるかもしれない、幕末の弱小地方藩を舞台とする藤沢周平原作時代劇の第2弾である。「たそがれ清兵衛」はもちろん、東京下町の風情とテキヤ稼業が主題の「男はつらいよ」シリーズでもそうだったが、山田洋次の映画は僕らにとって“近くて遠い世界”を呈示するものとしてある。

 たとえば、物語の本筋の傍らで、時代の変動期における近代=西洋的な武器の導入とそれに伴う西洋風の軍隊形成の過程がていねいに描かれる。近代=西洋化を進める日本は、時代劇的な世界の終わり、すなわち僕らが現在生きる世界の到来を予感させる。だけどその一方で、日本人の伝統的な身体や価値観が西洋化に直面して滑稽なまでに混乱する模様は、この時代の日本が僕らにとって遠く隔たった世界であったとも教えてくれる。なにせ、すり足での移動を習慣としていた武士たちは、普通に手足を上げて行進することさえできなかったのだ……。

 こうした幕末日本の近くて遠い世界を舞台とする物語は――少しばかり甘い言い方を許してもらえるなら――それでも男女の営む恋愛は昔も今も変わりなく継続されている、といったことを僕らに示して結末を迎え、個人的には前作にはなかった涙が出そうになる瞬間を迎えたのだった。(北小路隆志)

丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて公開中

[eiga.com/11月5日]

映画.com(外部リンク)

2004年11月5日 更新

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