レビュー一覧に戻る
殺人の追憶
2004年3月27日公開

殺人の追憶

MEMORIES OF MURDER

PG121302004年3月27日公開

kaz********

4.0

捜査中にも関わらず殺人を繰り返すとは

この映画を見終わって、犯人が分からず迷宮入りするという結末に、カタルシスのないつまらない映画だと思ったが、見返すといやこれは凄い作品だと思い返した。 1986年、ソウル郊外のテリョン村で若い女性が乱暴され殺害される事件が3件。パク刑事とソウルから来たソ刑事は反目しながら捜査に当たる。パク刑事と相棒のチョ刑事は、容疑者クァンホの取り調べに際して暴行を加え自白を強要するという無法ぶり。対して、ソ刑事は『書類は嘘をつかない』と理屈で犯人像を推理していく。捜査本部の課長は、事件は雨の日に赤い服の女性を対象に起きているとして、女性刑事のギオクを囮に使うが、4人目の被害者を出してしまう。事件はFM局の番組で“憂鬱の手紙”が放送された日に起きていることが判明し、ソ刑事は同様の犯行で生き残った女性の証言を得る。パク刑事の方は犯行現場でマスをかいていたヒョンスンに拷問を加え自白を迫っていたが、ソ刑事になじられ喧嘩に。喧嘩中に例の放送が流れ雨が降り出し5人目の犠牲者が。リクエスト葉書の住所からパク・ヒョンギュという男が浮かび上がる。そして、ソ刑事に重要な情報を提供してくれた女子高生が6人目の犠牲者になると、ソ刑事の感情が爆発し・・・・・・。 パク刑事は短絡で粗暴な男だが、思い込みが激しく、4件目の犯行現場に体毛がなかったので犯人は無毛症だとして、風呂屋をはしごしたり、霊媒師の占いを信じ墨を布に流すなど笑ってしまう。また、優しい面もあり、暴行を加えたクァンホに運動靴を買ってあげたりする。 怖いのは、理詰めで犯人を追っていたソ刑事が、『犯人の手は柔らかかった』という証言に乗り、パク・ヒョンギュを半殺しにしてしまうほど変身してしまうことだ。 ポン・ジュノ監督は、『グエムル』で中学生のヒョンソを殺してしまい、この作品でも、女子高生を犠牲者に仕立て上げるなど、容赦ない描写は社会の不条理を訴えているのだろうか。

閲覧数3,952