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上映中

殺人の追憶 (2003)

MEMORIES OF MURDER

監督
ポン・ジュノ
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4.06 / 評価:1,188件

解説

実際に起きた未解決連続殺人事件をテーマにした衝撃サスペンス。韓国で560万人を越える動員数を記録。事実を基に綿密に構成された脚本と緊迫感あふれる映像で、犯人を追う刑事たちの焦燥感が身近に迫る。東京国際映画祭アジア映画賞受賞。主役は『シュリ』『JSA』で知られる、韓国の名優、ソン・ガンホ。田舎町の少々、愚鈍な刑事を演じるため、体重を10kg増やし役作りした。監督・脚本は『ほえる犬はかまない』のポン・ジュノ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。地元の刑事パク(ソン・ガンホ)は地道な取り調べを始めるが、現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない。やがて、第ニの事件が起きてしまう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「殺人の追憶」「見えない犯人」はあなたであり私である

 昨年ようやく公開された「ほえる犬は噛まない」を00年の映画祭で観て以来、筆者の中では「次の動きが気になる監督ランキング世界一」となったポン・ジュノ。韓国社会のローカル性に執着したミクロな視点を、汎世界的でマクロな人間描写・歴史認識へと繋げる稀有な才能は、エンタテインメント度を増した本作でさらにパワーアップしている。

 86年、ソウル近郊のある農村で起こった未解決連続殺人事件。これを忠実に映画化した本作は一応サイコ・ミステリというジャンルに区別できるだろうが、ゴアな猟奇趣味はきわめて稀薄。あくまで主眼は事件を捜査する刑事たちの熱情と挫折を描くことにある。しかし、リアリスティックな警察ドラマと言い切るのもまた躊躇させるのだ。

 時代はチョン・ドゥファンによる軍事政権下。灯火管制のサイレンの中で防空演習に駆られる民衆の姿や、反政府デモ鎮圧のため警察官が出払っていて殺人の兆候をキャッチしながら防げない、といったキナ臭い描写が断片的に置かれているのが象徴的だ。つまり閉塞と抑圧のなかで、誰も気づかぬうちに人間性が失われていく「見えない恐怖」をこそ、ポン・ジュノは描こうとしているのである。

 この映画では史実どおり犯人が捕まらないが、彼はこの事実が過去そして現在において何を意味するのか、ラストの衝撃的なひとことで観客に問いかえす。たしかに軍事政権は崩壊したが、それで社会は抑圧から解放されたのか? 不安に満ちた空気の中で蠢く「見えない犯人」は、あいつであり、あなたであり、またわたしであったとして何の不思議もないのだ。 (ミルクマン斉藤)

渋谷シネ・アミューズほかにて公開中

[eiga.com/4月2日]

映画.com(外部リンク)

2004年4月2日 更新

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