あらすじ・解説
仲の悪い母親(パトリシア・クラークソン)が、ガンで余命わずかだと知ったエイプリル(ケイティ・ホームズ)は、感謝祭に初めて家族をニューヨークの自分のアパートに招待する。彼女は七面鳥を料理し始めるが……。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(51件)
- mos********
5.0点
映画の思い出を入れておく引出しには忘れない小品の一区画がある。 こんにち、そのてを繰り出してくる、もっとも信用のおける機構となっているのがサンダンス映画祭だと思う。SearchingやTullyやエイスグレードetcに、大作に負けない良心を見る。そういう小品は、まるで自分だけが知っている宝物のような輝きをもってしまう──ことがある。忘れない小品とはそういう映画たち、だと思う。 これもサンダンスで大ウケして世に知られた。 トムクルーズとつきあっていた頃は、主流を走る女優のような気がしていたが、芳年を過ぎると、なんとなく中堅どころには至らなかった感のあるケイティホームズ。Pieces of April以降の彼女を見た記憶がない。が、これはよかった。これさえあれば何もいらない。彼女の持ち味をぜんぶ引き出した「小品」だった──と思う。 街へ出ている娘を家族が訪ねてくる話。 都会で暮らす若者に言えることだが、そこには故郷や家族とは、相容れない世界がある。殺伐としてギラギラした生活があり、自分はそれに埋没している。それは牧歌的な郷土とは価値観のちがう世界だ──と、わたしも若い頃思っていた。じっさい、その通りでもある。 が、エイプリルは都市生活に身をやつしたとはいえ、繊細な気持ちも持っている。一人前にやっているんだってところを、家族に見せたい。サンクスギビングの来訪にあわせて七面鳥のローストを、つくる──つくろうとする。 この粗雑さと繊細さをあわせもったエイプリルが、たくみに描かれている。 ときに、ずぼらに見える。ときに、心優しさがあらわれる。 さりげなく派手、どことなくワイルド、な女性がいる──と思う。 普段姿になると、なにげに鼻ピアスしていたり、囲み目していたり、チョーカー着けていたり、露天商で買ったみたいな手作り感の革製のアクセサリーをあっちこっちに着けていたり・・・てらいもなく派手なノースリーブで、その露わにも臆したところがない。そんな女性がいる。 エイプリルもそんな感じ。なんか蓮っ葉な印象もある。でも根はまじめ。その可変でファンキーな女性像が、くっきりとしたキャラクターになっている。とても魅力的だった。 家族は、それぞれが困惑を抱えている。お互いに打ち解け合って、さえいない。だけど、最後はすったもんだを乗り越えて無上の大団円ができあがる。都会と田舎の違い、人種の違い、所得の違い、年齢や性情の違いも超えて、みんなでサンクスギビングを祝う。 監督のPeter Hedgesを調べたらヒューグラントのAbout a Boy(2002)を書いていた。たしかにあの映画のほっこり感はこれと一致する。なんかみょうに納得した。
- dkf********
3.0点
折合いの悪い母親のために誕生日に七面鳥を焼くというだけのシンプルなストーリーの中に親子や家族の結びつき、人間関係の大切さを描いた小品。 ウェットになりがちなストーリーを決して安直なお涙頂戴路線に逃げず、ほどよいユーモアとシリアスを交えながら、80分という短い時間に凝縮している点が好感がもてる。 監督は「ギルバート・グレイブ」の脚本を書いた人ということだが、全体の雰囲気がいかにも脚本家が演出した映画という感じがする。 ケイティ・ホームスが主役のパンク娘を好演しているが、彼女がこんな「芝居の出来る」女優だとは思わなかった。本作の直後くらいにトム・クルーズと結婚して一気に成り上がることになるが、これは彼女の独身時代のベスト作かもしれない。 映画の評価に「ファミリー部門」なる基準があれば、間違いなく★5クラスの良い話だと思う。
- koy********
5.0点
この映画のラストシーンって、別に泣かそう泣かそうってものじゃないと思うんだ。誰か死ぬわけでもないし、お別れするわけでもない。でも目茶苦茶泣けるんだよ。泣いて泣いて泣いて泣きましたよ、私は。ラストシーンでこんな泣いた映画は他にない。 言葉で説明するばかりの映画が氾濫する中、この映画は映像で語ってくれる。映画というのはこうでなくてはいけないのだ。物語を描くのに、言葉でなくては説明できないなら、その物語は小説でいい。 この映画のラストシーンは、正に映像だけで心に訴えてくるもので、それで胸が一杯になる。 この映画は約80分しかない上に、2つの流れを交互に映してくれるので全く飽きがこない( ´∀`)ひとつの流れは、主人公エイプリルが初めての七面鳥料理に挑むお話。もうひとつの流れは、エイプリルの家族達がニューヨークに行くお話。 エイプリルは、ニューヨークのスラムの安アパートで彼氏と同棲中。エイプリルはかつて問題児で、家族の元を離れ独立したのだ。しかし彼女は感謝祭の日に家族を招き七面鳥料理でもてなす計画を立てた。料理なんてろくにしたこともないけれど。これが、家族と仲直りする最後のチャンスになるかもしれないのだ。 しかし、感謝祭当日になって襲い来る数々のトラブル!果たしてエイプリルと七面鳥の運命はいかに!? あ、エイプリルの彼氏がすごいイイヤツなんだよね( ´∀`)エイプリルは男運だけはいいみたいだ
- tom********
5.0点
こういう映画こそが最高傑作って呼ばれるべき作品なんだなあって思いました!何回でもみれます!ストーリーが素晴らしい上に80分と短いんです!あと、自分が撮影してるみたいな感覚になるカメラワークが素敵でした!そしてなんといってもラストシーン!あえて台詞がなく音楽と写真だけで描かれていて、より一層感動して涙が止まりませんでした。すれ違っている母と娘だけど、そこには愛があった。暖かい気持ちになれる素晴らしい作品です!
- kir********
4.0点
まさに、良い映画だった。 素直に、日常をしっかり映し出したような。 カメラワークも日常を切り取るような、そんな写し方だったし、 (画面が揺れて、日常を目で見ているような。 綺麗な画面や、しっかりした画面とは違って。) 逆光や、レトロ調の色合いも使って、それが表現されていた。 古くて安いアパートで、下の部屋の夫婦の様子とか、協力していきながら作っていく様子とか。 日常の中の映像、みたいな印象だった。 ただ、僕の年齢には、合わなかったかな。 驚く箇所を作っていたり、 NYに向かって来る家族の、あまり良い日でない感じとか、よく出ていたし、 今までの苦労とか、嫌な思い出とかが、車の中で、無理なく、描かれていた。 驚かすところも、アクセントとして、いくつか加えていたり、 七面鳥を焼くのに苦労する様子、 ろくでもない隣人の人達と、 逆に、良い人達、 その両方が居たのが良かった。 印象としては、花とアリスに近い。 日常を切り取ったような。 あまり、映画映画していない、と言おうか。 そんな印象。 それでいて、雰囲気のある、良い映像。 ダレることなく、シンプルにしっかり収まっていたのが、さらに好評価だ。
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