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モーターサイクル・ダイアリーズ
2004年10月9日公開

モーターサイクル・ダイアリーズ

THE MOTORCYCLE DIARIES/DIARIOS DE MOTOCICLETA

1272004年10月9日公開

dkf********

4.0

若きゲバラが自分を探し当てた旅の記録

自分は元バックパッカーのオヤジだが、学生風情の若い旅行者が好んで使う「自分探しの旅」という言葉が大嫌いだ。言葉の響きはカッコいいが、意志もなくただ旅に出たところで、自分の探すものなど簡単に見つかるわけないのだ。そんなものはしょせん世間知らずが現実から逃避するだけの体の良い言い訳でしかないと思うのだが、本作で描かれるゲバラのケースはそうではない。 医学生だった青年時代のゲバラがアルゼンチンからベネズエラまで南米大陸6000キロを縦断しながら、しっかり自分の進むべき道を見つけ出し、後の革命家として生きる自分を探し当てるに至った旅の記録。この若き日の貧乏道中がどれほどゲバラの人生の大きなターニングポイントになったかが良くわかる。 前半の純然たるロードムービー的な展開と比べて、訪れた国の先々で先住民や貧しい労働者の悲惨な生活ぶりを見るにつけ、革命家としての怒りを芽生えさせる中盤以降が本作の肝。この旅がなかったら、「革命家ゲバラ」は誕生せず、医者として名もなく一生を終えたかもしれない。 ヴァルテル・サレス監督の一歩引いた客観的演出のおかげで、観ている我々もゲバラと一緒に旅をしたような気分になれるし、たとえゲバラが誰かを知らなくてもストーリーが理解できるのは純粋にロードムービー、青春映画としても優れているからだろう。南米大陸の広さを実感できる映像、哀愁ある音楽も秀逸。 夢もロマンも希薄な現代、こんなゲバラみたいな旅はもはや望むべくもないが、映画の中で旅情を味わえるという意味では必ず選択肢に入れるべき良作だと思う。

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